2026年に「開業する主な商業施設」と「閉店する主な商業施設」を紹介する。名古屋では名駅エリアで長年親しまれてきた「名鉄百貨店本店」が閉店する一方で、栄エリアで大丸松坂屋百貨店やパルコなどによるラグジュアリーモール「ハエラ」が開業する。横浜では横浜スタジアムのすぐそばにスポーツやコンサートの熱気を伝える「ベースゲート横浜関内」が話題になりそうだ。
【CLOSE】高島屋堺店(1月7日閉店、大阪府)
高島屋堺店は1月7日に営業を終える。
南海高野線の堺東駅に1964年に開業。売り場面積は2万5000平方メートル(百貨店区画1万6000平方メートル、専門店区画9000平方メートル)。同じく堺市にある泉北店(74年開業)との2店舗体制で大阪南部の地域ニーズに応えてきた。
売上高は1991年度の約300億円がピークで、直近の24年度は101億円(百貨店区画のみ)に縮小していた。20年度から営業赤字が続いていたことから、同店の建物賃貸借契約の満了を見据えて閉店を決めた。
高島屋堺店が退去した後、大家である南海電鉄が「ヒビエ」の名称でショッピングセンターを開く。
【CLOSE】心斎橋オーパ(1月12日閉店、大阪府)
大阪・ミナミのファッションビルである心斎橋オーパが1月12日に営業終了する。
御堂筋を挟んで向かい側に大丸心斎橋店や心斎橋筋商店街、後ろ側にアメリカ村という絶好の立地で営業してきた1994年に本館、98年にきれい館が開業。全盛期は90年代後半から2000年代前半で、当時は「東のマルキュー(渋谷109)、西のオーパ」と称される“ギャルファッションの聖地”と称された。運営会社OPAは全国でファッションビルを展開していたが、心斎橋オーパは最も成功した施設だった。だが、ギャル文化の衰退とともに低迷に転じる。
15年にOPAはそれまでのダイエーの子会社からイオングループの子会社になる。さまざまな新機軸を打ち出したものの、かつての勢いを取り戻すことはできなかった。
【CLOSE】名鉄百貨店本店(2月28日閉店、愛知県)
名古屋鉄道(名鉄)の名古屋駅で1954年から営業してきた名鉄百貨店本店が2月28日に閉館する。本館とメンズ館を合わせて売り場面積は約5万5000平方メートル。2023年度の売上高は352億円だった。近年は隣接するジェイアール名古屋タカシマヤに押されて集客に苦戦していた。
営業終了の直接的な理由は親会社である名鉄の名古屋駅周辺の再開発によるものだが、ここにきて様相が変わってきた。名鉄は当初、百貨店やホテルが入るビル5棟を26年度から取り壊し、2040年代の全面オープンに向け建設を目指していた。ところが建設コストの高騰や人手不足が深刻化し、ゼネコンが入札を辞退。再開発のスケジュールが「未定」になる前代未聞の事態に陥った。
それでも名鉄百貨店本店は当初計画通りに閉店する。現在、閉店セールや感謝イベントが実施されている。再開発後のビルには商業施設(百貨店業態になるかは不明)が入る予定だったが、百貨店の従業員の処遇や商業施設の中身についても見直しを余儀なくされている。
【CLOSE】マルイシティ横浜(2月28日閉店、神奈川県)
横浜駅東口のマルイシティ横浜は2月28日に営業終了する。
1996年オープンした。地上2〜8階と地下1~2階部分で売り場面積は約1万6500平方メートルに、若者向けのファッションブランドなど約80のテナント店舗を入れていた。近年は「ポケモンセンターヨコハマ」を入れるなど、ホビー系に力を入れていた。ピーク時である1998年の売上高255億円に対して、単純比較はできないが2024年のテナント取扱高124億円に減っていた。入居するビルの契約満了を機に撤退を決めた。
【OPEN】イオンモール津田沼サウス(3月開店、千葉県)
京成電鉄とイオンは、24年9月に閉店したイトーヨーカドー津田沼店(千葉県習志野市)跡に「イオンモール津田沼 サウス」を開業する。京成・新津田沼駅を挟んで隣接するイオンモール津田沼を「イオンモール津田沼 ノース」と改称し、連携して異なるターゲット層の取り込みを狙う。
駅ビルであるサウスの営業面積は、8階建てで延べ床面積が3万5000平方メートル。映画館や開放的なフードフロア、イベントホールなどで構成し、若い世代を集客する。一方、広いモール型のノースが食品や衣料品、屋外型プレーランドでファミリー層やシニア層を呼び込む。
【OPEN】ベースゲート横浜関内(3月19日開店、神奈川県)
三井不動産など7社は、JR関内駅前の旧市庁舎周辺を再開発した大型複合施設「ベースゲート(BASE GATE)横浜関内」3月19日に開業する。商業施設、オフィス、ホテルなどで構成する。商業施設は約2万平方メートルで飲食店中心に全55店舗が入る。
商業施設は東急モールズデベロップメントが運営する。横浜スタジアムと隣接する立地を生かし、スポーツ観戦の前後に利用できるようにする。34店舗で構成する飲食ゾーンを「スタジアム横バル街」と名付け、顧客同士や店員とのコミュニケーションが生まれやすい開放的な空間にした。日本最大級の常設型ライブビューイングアリーナ「THE LIVE supported by 大和地所」も設置する。
【OPEN】大井町トラックス ショップ&レストラン(3月28日開店、東京都)
JR東日本は、JR大井町駅前(品川区)で大規模複合施設「大井町トラックス(OIMACHI TRACKS)」を3月28日に街開きをする。敷地面積は約2万9400平方メートルで「ホテル・住宅」と「オフィス」の2つの高層タワーで構成する。低層部が商業施設になる。
商業施設「ショップ&レストラン」を運営するのは、JR東日本子会社で駅ビルを運営するアトレだ。店舗面積1万7000平方メートルに、飲食を中心に81店舗が入る。JR東日本グループ初となるアウトモール型ショッピングセンターで、主要な導線は屋外に設けた。開放的な広場でのバーベキュー、眺望が広がるスパ・サウナなど、都心の駅ビルとは異なる空間を楽しめる。
【OPEN】軽井沢Tサイト(3月開店、長野県)
三菱地所、アクアイグニス、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の3社は、軽井沢駅北口に商業施設「軽井沢 T-SITE」を3月に開業する。2700平方メートルに、物販や飲食店のほか、温浴施設、宿泊施設など約16店舗が出店する。駅直結で利便性が優れており、信州の観光名所になりそうだ。
1997年の長野新幹線(現北陸新幹線)の開業に伴って廃線になった旧信越本線の線路を再開発した。低層の建物が並ぶオープン型ショッピングセンターで、軽井沢の豊かな自然を借景に食事や買い物が楽しめる。露天風呂や屋外サウナ複合温泉リゾート「アクアイグニス」が甲信越エリアに初進出する。
【OPEN】ルクア サウス(4月初旬一部開店、大阪府)
JR大阪駅南側のサウスゲートビルディングに入る大丸梅田店の10~15階(店舗面積1万6000平方メートル)が、隣で営業するルクア大阪の新館「ルクア サウス」になる。運営はルクア大阪や天王寺ミオのJ西日本SC開発。段階的にリニューアルオープンする予定で、第1弾は4月上旬になる。これによりルクア大阪は、ノースゲートビルディングに入るルクアとルクアイーレと合わせて3館体制になる。
現在、大丸梅田店で営業する施設や店舗も一部引き継ぐ10~13階(約1万2500平方メートル)は「キャラクター/ポップカルチャー」、「アミューズメント」のコンテンツを展開。現在も大丸梅田店で人気の「ポケモンセンターオーサカ」や「ニンテンドーオオサカ」などと合わせて国内最大級のキャラクターゾーンにする。14〜15階はレストランゾーンを展開になる。
【OPEN】ハエラ(初夏開店、愛知県)
J.フロント リテイリング(JFR)は、名古屋・栄の新複合高層施設「ザ・ランドマーク名古屋栄」の低層部にラグジュアリーモール「ハエラ(HAERA)」を開業する。パルコと大丸松坂屋百貨店、J.フロント都市開発の3社が一体で手がけ、ファッションとアート、カルチャーを横断する“パブリックミュージアム”型の施設を目指す。
地下2階〜地上4階の延床面積約1万8776平方メートルを占め、約65店舗の入居を計画する。名古屋のシンボルである久屋大通と大津通に面する形で、世界的なラグジュアリーブランドによる大型メゾネット旗艦店を配置し、上・下層フロアにはハイグレードからカジュアルまで幅広い飲食店を導入する。
JFRは大津通沿いに松坂屋名古屋店と名古屋パルコを運営している。ハエラと合わせて栄エリアでのシナジーを生み出す。
【CLOSE】高島屋洛西店(8月3日閉店、京都府)
高島屋は、高島屋洛西店の営業を8月3日で終了する。
1982年、ニュータウン開発が進んでいた京都市西京区に開店した。3フロア・売り場面積8079平方メートルで食品、化粧品、衣料品、日用品、家庭用品など地元住民の生活に密着した商品を取り扱ってきた。しかし出店の際に見込まれていた京都市営地下鉄東西線の延伸計画が実現せず、1990年をピークにニュータウンの人口も減少してしまい、集客力に苦労を強いられてきた。
25年2月期の売上高は47億円。近隣エリアにある高島屋京都店との連携や業務効率化に努めてきたが、黒字化の目処が立たないと判断した。
【OPEN】アトレ中野(12月開店、東京都)
JR東日本による中野駅の新駅舎・駅ビルの開発に伴い、新商業施設「アトレ中野」が12月にオープンする。延べ床面積は1万6900平方メートル。店舗数や中身についてはまだ発表されていない。
【OPEN】天神1-7計画(12月開店、福岡県)
三菱地所は、福岡・天神で2021年8月まで営業していた商業施設のイムズの跡地の再開発「天神1-7計画」を進めている。12月の竣工を予定する。21階建のビルにオフィス、商業施設、ホテルが入る。
低層部の商業施設(地下2階から地上2階の4フロア)は、店舗面積3600平方メートル。詳細はまだ発表されていない。地下2階は、天神地下街、ワンビル、因幡町通り地下通路とつながる。
ビルの上層部には、米エースホテルが入る。192室の客室に加え、1~2階のラウンジ、カフェバー、レストラン、ギャラリー、19~20階のルーフトップバーは宿泊者以外にも来街者やワーカーなどが自由に利用できる。