LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)のアントワン・アルノー(Antoine Arnault)=ヘッド・オブ・コミュニケーション&イメージはこのほど、フランス政府による最高位の勲章であるレジオン・ドヌール勲章シュヴァリエを受章した。
今回の受章は、LVMHが2024年パリオリンピック・パラリンピックにプレミアムパートナーとしてさまざまな面で携わり、その成功に大きく貢献したことが理由の1つとして挙げられていることから、プレゼンターは同大会組織委員会のトニー・エスタンゲ(Tony Estanguet)会長が務めた。授章式には、アントワンの父親であるベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼最高経営責任者(CEO)をはじめとするアルノー家のメンバーやLVMHの幹部らのほか、ブリジット・マクロン(Brigitte Macron)仏大統領夫人、ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)、モンクレール(MONCLER)を率いるレモ・ルッフィーニ(Remo Ruffini)会長兼CEO、トッズ(TOD'S)の創業家出身のディエゴ・デッラ・ヴァッレ(Diego Della Valle)会長兼CEO、デヴィッド・ベッカム(David Beckham)らが駆け付けて祝福した。
アルノー=ヘッド・オブ・コミュニケーション&イメージの経歴
アルノー会長兼CEOの長男であるアントワンは、1977年生まれの48歳。HECモントリオールを卒業後、欧州経営大学院でMBAを取得。インターネットのスタートアップ企業ドメイヌー(DOMAINOO)から2002年にルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)のマーケティング部門に入社した。06年からはLVMHの取締役会のメンバー入りを果たし、07年にはルイ・ヴィトンのコミュニケーション・ディレクターに、11年には現職に就任。22年12月には、一族の持株会社クリスチャン ディオールSE(CHRISTIAN DIOR SE)の副会長兼CEOにも就任し、アルノー家による長期的なLVMH支配を確固たるものとした。ほかにも、LVMHが擁するベルルッティ(BERLUTI)の非業務執行会長など多くの役職を担っている。
レジオン・ドヌール勲章とは
同勲章は、1802年にナポレオン・ボナパルト(Napoleon Bonaparte)が創設。軍人や、文化・科学・産業・商業・創作活動などの分野における民間人の卓越した功績を表彰することを目的とした、フランスで最も権威のある国家勲章だ。功績などによりシュヴァリエ(5等)、オフィシエ(4等)、コマンドール(3等)、グラントフィシエ(2等)、グランクロワ(1等)と5つの等級がある。
なお、アルノー会長兼CEOは2011年にレジオン・ドヌール勲章グラントフィシエを、24年に同グランクロワを受章。また、同氏の長女でアントワンの姉であるデルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)=クリスチャン ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)会長兼CEOも、25年1月に同シュヴァリエを受章している。