スイスの香料大手ジボダン(GIVAUDAN)は、ジル・アンドリエ(Gilles Andrier)最高経営責任者(CEO)が2026年3月に退任すると発表した。後任は、ダノン(DANONE)でアジア・中東・アフリカ事業プレジデントを務めるクリスチャン・スタムケッター(Christian Stammkoetter)氏が26年3月1日付で就任する。
アンドリエ現CEOは1993年にジボダンに入社。当時のCEOであるジャン・アミック(Jean Amic)氏のアシスタント兼フレグランス部門のコントローラーに従事。2003年までにファインフレグランス部門のグローバル責任者に就任し、05年にCEOに昇格した。20年にわたる在任期間中、同社の従業員数は5900人から1万6900人に拡大し、売上高も27億スイスフラン(約4994億円)から74億スイスフラン(約1兆3690億円)に成長した。また、イタリアの化粧品会社ビー・カラーメイクアップ&スキンケア(B.KOLORMAKEUP & SKINCARE)やブラジルの香料サプライヤー、ヴォルメンズ(VOLLMENS)など20件以上の買収を手掛けた、「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」の”オピウム”や「ディオール(DIOR)」の“ジャドール”、「キャロリーナ ヘレラ(CAROLINA HERRERA)」の“グッド ガール”などの名香を生み出した。
アンドリエ現CEOは声明で「この20年間、ジボダンを率いることができたのは計り知れない名誉であり喜びだった。今後5年間の戦略的ロードマップを描いた今がバトンを渡す適切なタイミングだ」とコメントした。一方、スタムケッター次期CEOは「ジボダンの理念に深く共感しており、アンドリエ氏の卓越したレガシーを継承し、世界中の優れたチームや顧客、パートナーと共に成長とイノベーションを推進していきたい」と抱負を語った。
なお、カルヴァン・グリーダー(Calvin Grieder)会長も26年3月に退任し、同月開催される年次株主総会でアンドリエ現CEOが次期会長候補として提案される予定。