ビューティ
連載 沖縄ビューティNEWS 第25回

沖縄コスメLIST.7 「ちゅらび・もずくコスメ」沖縄の古代地下浸透海水やもずく、“もとぶ牛”の牛脂など、ユニークな沖縄食材を製品化

県内外で定評のある“沖縄コスメブランド”を紹介する企画の第7弾。今回は沖縄ブランドである「もとぶ牛」や「タイムレスチョコレート」など、沖縄食材を保湿成分として採用し、個性的なコスメを展開している「ちゅらび・もずくコスメ」をピックアップ。平良奈々「ちゅらび」代表に取材した。

――:「ちゅらび」と「もずくコスメ」を発売した経緯を教えてください。

平良奈々「ちゅらび」代表(以下、平良):もともと東京の大手食品会社の化成品部で化学品や製品を取り扱う仕事をしていたのですが、その際、原料会社や農家とメーカーの間には多くの中間マージンが発生してしまうことに悩ましさを感じていました。というのも、こうした流通経路を見直せば、生産農家のかたにもっと利益を還元できるのに……と。そう考えているうちに、会社では化粧品ブランドの立ち上げも担当することになったのですが、そのブランドの組織変更があり、化粧品業務から離れることに。

ただ、私自身はもっと化粧品開発に携わりたいという思いがあったことや、生まれ故郷である沖縄の素晴らしい素材を活用したいという考えもあり、私の地元である那覇の壷川で化粧品会社、ファミリー企画を設立。そして、沖縄の素材を採用したスキンケアシリーズ「ちゅらび」と、沖縄の地場産業とコラボレーションしたコスメ「もずくコスメ」の開発にいたりました。

――:それぞれのブランドの特長を教えてください。

平良:「ちゅらび」の最大の特長は、精製水の代わりに沖縄の古代地下浸透海水「山瑚泉」を用いていることです。カルシウムやマグネシウムの含有量が一般的な塩よりも多いほか、ミネラル成分がバランスよく含まれている海水エキスです。この水をベースに、月桃葉、島ニンジン、アロエベラ葉、ハイビスカス、沖縄モズクといった栄養価の高い、沖縄由来の5種の素材を配合しています。

製品は7種ほどそろえていますが、最も人気があるのがフェイスマスクです。それぞれの保湿成分を「山瑚水」が肌奥まで引き込むため「トーンアップした」という声を多く頂戴しています。また、UVもケミカルフリー処方ながら白浮きせず、沖縄の強烈な紫外線を浴びても日焼けしないとご好評いただています。

もう一つの「もずくコスメ」は“お肌ぷるぷる沖縄もずくパック”の単品展開です。もずく栽培で有名な本島中部・うるま市の勝連漁港に行ったとき、太くてもしっかりしたもずくの品質に驚いたことや、もずくのぬめり成分である「フコイダン」の高い保湿力に着想を得て、もずくを主役にした保湿パックの開発を思いつきました。そして、このもずくエキスを中心に、アロエベラ葉などの植物成分やコラーゲン、ヒアルロン酸といった保湿成分を配合することで、洗い流すタイプのパックに仕上げています。

こちらは那覇空港内に4店舗ある売店(さくら売店、ハイビ売店、北ウイング店、南ウイング店)でも販売しているのですが、パッケージのインパクトもあり、たくさんの人にお買い上げいただいています。

――:この春には新製品として、名護・もとぶ牧場のブランド牛“もとぶ牛”の牛脂を用いた石けんを発売しています。

平良:はい。こちらは県産ブランドとのコラボレーション製品になります。第1弾は2022年に北谷町にあるチョコレート専門店「タイムレス」とのコラボレーションで、沖縄黒糖を使用した“カカオバターボディケアクリーム”を共同開発しました。そして、こちらの“牛脂石けん”は第2弾となります。

“もとぶ牛”はオリオンビール工場からでたビール粕にトウモロコシや糖蜜などを混ぜて発酵させた飼料を用いられています。この飼料のためか、“もとぶ牛”の牛脂には不快なにおいがまったく無く。そもそも牛脂には脂肪酸が豊富に含まれていることから保湿力にも長けていることから、洗浄と保湿を同時にできる石けんを開発しました。もともと無臭なのですが、ラベンダーやジャスミンの香りづけをしているので、より心地よく使用してもらえると思います。

――:今後、どのような製品を開発していきたいですか?

平良:私たちが掲げるミッションに“ノー ルールズ フォー ビューティ”があります。「タイムレスチョコレート」や「もとぶ牧場」との協業もそうですが、美容はこうあるべきという固定観念を離れることで、今後もさまざまな素材を化粧品成分として採用していきたいです。そして、沖縄への外国人旅行者が増え続けていることもあり、沖縄の素材を生かした製品を通じて、沖縄そのものの価値も高めていけたらと考えています。

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