
沖縄のラグジュアリーホテルで上質なアフタヌーンティーが提供されていることを知る人は意外に少ない。青く輝く海やプールを眺めながら、開放感ある空間で、シェフが趣向を凝らしたセイボリー(塩味の軽食)やスイーツを楽しめるのはリゾート地ならではの魅力。ゆったりと連泊を楽しんだり、ホカンス(ホテルとバカンスを組み合わせた造語)を満喫する際にもぜひ利用したい体験だ。
そこで今回は沖縄を代表するラグジュアリーホテルの提供するアフタヌーンティーを紹介。取材した3軒はそれぞれまったく異なるコンセプトを設けていることもあり、沖縄滞在時には“アフタヌーンティー巡り”をするのも提案したい。
ザ・リッツ・カールトン沖縄 ロビー ラウンジ&バー
クラシックな三段スタンドにセイボリーやスイーツ、スコーンを並べたイギリス式を提供するのがザ・リッツ・カールトン沖縄。11月29日からホリデーシーズン限定で提供される「ザ・リッツ・カールトン沖縄フェスティブアフタヌーンティ」では、ロレンツォ・スィスティシェフがセイボリーを、長橋健太郎シェフがスイーツを手掛けている。

セイボリーはホリデーを意識してスモークダックやターキーを用いたイタリア料理のアレンジがそろい踏み。特にイタリアではホリデー風物詩である自家製パネトーネをトーストした上に、スモークサーモンとサフランバターを添えた一品はこの季節らしい華やかな組み合わせ。

一方、スイーツでは「さんぴん茶のマカロン」や「紅芋と林檎のタルトレット」など、沖縄の素材を繊細にデザイン。可憐な見た目にときめくこと確実だ。

また、紅茶はL.A.発のプレミアムオーガニックティー「アート オブ ティー」から24種の茶葉を用意。アフタヌーンティーの提供時間内では何種類でも飲み比べができるのもぜいたくだ。
DATA
【フェスティブ期間限定】ザ・リッツ・カールトン沖縄フェスティブアフタヌーンティー (混雑時は2時間制)7500円(コーヒー、紅茶付き)、1万円(グラスシャンパンと共に)*事前予約推奨 *税・サービス料込
星のや沖縄
「星のや沖縄」がプールサイドで提供するのは、沖縄産ラム酒の芳醇な香りをスイーツやセイボリーで表現した「琥珀香るアフタヌーンティー」。ラム酒の原料は、沖縄を代表する作物であり、冬に収穫されるサトウキビ。現在、泡盛の酒造メーカーが県産ラム酒の開発に注力していることもあり、滞在するゲストのために大人のアフタヌーンティーを開発した。

用いられているラム酒は琥珀色に輝き、深みのある伊江島蒸留所の「イエラム サンタマリア ゴールド」、沖縄県の離島8島でつくられる黒糖をベースに、3タイプの原酒のブレンドから生まれたホワイトラム「ザ オキナワ アイランズ ラム 40度」など。

ブランドの異なるラム酒と黒糖シロップをたっぷりとしみこませたフランスの伝統的な焼き菓子「3種の小さなサバラン」からはじまり、ゴールドラムで仕上げたラムフィナンシェやチョコレート、ホワイトラムをあわせたセイボリーのカナッペや「豚肉とパインのマリネ」などが真鍮のティースタンドを彩る。ラム酒を巧みに取り入れたスイーツやセイボリーとの相性の良さに驚くはずだ。

ちなみに「星のや沖縄」のプールは加温式で冬でも温かいため、時折プールに入りながらリラックスして楽しむのもおしゃれ。ここでしか味わえない特別な体験になるだろう。
DATA
琥珀香るアフタヌーンティー 8000円
(2025年12月12日~2026年2月28日)
*宿泊者限定・要予約 *ともに税・サービス料込
ハレクラニ沖縄 サンセットバー「スペクトラ」
「ハレクラニ沖縄」ではカフェラウンジではなく、鮮やかな夕陽を楽しめるサンセットバー「スペクトラ」でアフタヌーンティーを提供する。今回のコンセプトは“サンセット”。ジュエリーボックスをイメージした3段のケースに並ぶのは、見た目も味わいも繊細なスイーツやセイボリー。

さらに、別皿では「沖縄県産車エビと金美人参ムース」や「昆布締めにした沖縄県産アカマチ 生姜と山芋のタルタル」、「島蛸とジャガイモのピンチョス ブラックオリーブソース」といった県産食材や沖縄料理からインスパイアされたセイボリーが、“ハレクラニ流”に情緒豊かに表現されている。また、ホテルメイドのスコーンも用意されており、充実したラインアップだ。

ティーセレクションはハレクラニオリジナルのブレンドティーや果肉入りのアイスフルーツティーに加え、コナコーヒー、カフェオレなど20種以上のメニューからオーダーできるのもうれしい。サンセットを眺めながら午後のひと時をゆったりと過ごせる。
DATA
ハレクラニ アフタヌーンティー“サンセット” 7500円(90分制)
*事前予約推奨 *ともに税・サービス料込
*シーズンごとに内容が変わります