
平成リバイバルの波に乗って、バッグやスマホにチャームを“じゃら付け”するスタイルが、若者の定番になりつつある。Z世代の間では自己表現や“推し活”の一環として浸透し、8月16と17日に開催した都市型フェス「サマーソニック 2025(SUMMER SONIC 2025)」の東京会場でも、その装いが目立った。
チャームは話題のキャラクター「ラブブ」や「ちいかわ」、「ハローキティ」、老若男女から愛され続けている日本アニメ「ハンターハンター(HUNTER×HUNTER)」「忍たま乱太郎」まで多種多様だ。複数のキーホルダーを重ね付けする人が多く、好きなアーティストの写真を入れたフォトキーホルダーで“推し”表現する姿も見られた。さらに、リップに昨今注目を集めている「めじるしアクセサリー」を付けている人もいた。
チャームの付ける場所も多様だ。バッグはもちろん、デニムのベルトループに付ける男性や、スマートフォンをデコレーションして、“じゃら付け”する人も目立った。ある20代女性は「『シーイン(SHEIN)』でチャームベースを購入して、ガシャポンのキーホルダーを組み合わせている」と話す。さらに、ハンドストラップを取り付け、スマホの落下防止とアクセントを両立させる工夫も見られた。
「夏のコーディネートは地味になりがちだから、チャームがアクセントになる」「いつも持ち歩いているバッグを手軽にアップデートできる」「デニムに付けるとワンポイントになる」。インタビューに協力してくれた人の声からは、おしゃれと遊び心を同時に満たす存在であることが伝わってくる。さらに、どんなチャームを付けているかという会話も生まれ、コミュニケーションツールとしての役割も担っていた。
フェス会場に限らず、日常にも広がりを見せる“じゃら付けチャーム”。少しの投資で大きく印象を変えられる手軽さと、平成リバイバルの追い風もあり、今後も若い世代のスタイリングに欠かせない存在となりそうだ。
PHOTOS:YURINA JINNAI