
日を追うごとに進化を遂げるK-POPのプロモーション。今では単なる新曲発表やステージパフォーマンスに留まらず、アーティストの世界観を直接体験し、ファンが能動的に没頭できる多様なコンテンツが登場しています。グローバル音楽市場での影響力を拡大する一方で、「体験中心」の新たなコンテンツパラダイムを築き上げているK-POPスターたちの独創的なプロモーションを紹介します。
IUが電話越しに歌ってくれる!「アイユエナコレクトコール」
韓国の人気歌手のIU(アイユー)が、リメイクアルバム「花のしおり」の発売を記念して、ユニークなプロモーションイベント「アイユエナコレクトコール」を実施しました。 このイベントは、IUと彼女のファンダム「UAENA(ユエナ)」を組み合わせた造語「アイユエナ」を冠した特別な体験型キャンペーン。1週間限定で、ファンが指定の電話番号にかけると、まるでIU本人と電話しているかのような音声応答が流れます。そして、携帯の数字ボタンを押すと、IUの“生歌”によるアカペラのハイライト曲が再生されるという仕掛けです。 この企画は、音楽鑑賞に没入感とインタラクティブな楽しさを加えるスマートなプロモーションとして、多くのファンから好意的な反応を得ています。
SEVENTEENの没入型試聴会「HAPPYBURSTDAY」
デビュー10周年を迎えたボーイズグループSEVENTEENが、5thアルバムのリリースにあわせて聴覚体験展「HAPPYBURSTDAY TO SEVENTEEN」を開催しました。 この展示は、「聴くアルバムから、体験するアルバムへ」というコンセプトを体現した没入型イベント。会場に足を踏み入れると、VR・8Dオーディオ・プロジェクションマッピング・コンセプトフィルムが融合した幻想的な空間が広がり、メンバーのソロ曲やグループ楽曲をハイクオリティーな音質で堪能することができます。音と映像、空間演出が一体となったこのイベントは、SEVENTEENの音楽を“観る・聴く・感じる”全感覚体験へと昇華。ファンにとって、ただのアルバムリリースにとどまらない、記念すべき10周年を祝うインタラクティブな祝祭となりました。
NCT マークがフリマアプリに現れた?「The Firstfruit」プロモーション
NCTマーク ユーチューブから (mark)
NCTの人気メンバー、マークが、待望の初ソロアルバム「The Firstfruit」を引っ提げ、独自の世界観を表現するユニークなプロモーションを展開しました。 舞台となったのは、トレンドの発信地・ソンスエリア。この街のあちこちに、QRコード付きのポスターを掲出。コードをスキャンすると、マーク自身の個人YouTubeチャンネルへとつながり、韓国で人気のフリマアプリ「キャロット」で「LEE」というニックネームで出品者として活動するマークの姿が現れ、実際にマークが商品を売っているかのような仕掛けがファンを驚かせました。 このオンラインとオフラインを自在に行き来するプロモーションは、アーティストの感性とアルバムのメッセージを見事に融合させたもの。マークならではの創造力と世界観を際立たせる好例となり、多くの注目を集めました。
aespaのピンタレストで新曲のムードをチェック
ガールズグループエスパ(aespa)が、ビジュアル探索プラットフォーム、ピンタレスト(Pinterest)を“アルバムのコンセプト空間”として巧みに活用し、SNSプロモーションの新たな地平を切り拓きました。 新曲リリースのたびに、ムードボード形式でコンセプトビジュアルや未公開のビハインドショット、ビジュアルコンテンツをファンと共有。ユーザーは画像を保存する手間なく、ピンタレスト上のボードを通じてエスパの世界観に没入することができます。 このユニークなSNS活用法は、グループのクリエイティブなビジュアル戦略をファンとダイレクトに結びつける革新的なアプローチとして注目され、現在フォロワー数は34万人を突破。ユニークなSNS活用の代表的な事例として挙げられています。
EDITOR: イスル