ビューティ

韓国のZ世代が注目するビューティブランドを一挙紹介 5つのキーワードも発信

韓国のZ世代は明確な消費傾向と独特な趣向を持つ。 彼らの特性と消費パターンを考慮しながら5つのキーワードを掲げた。ファッションやビューティ、ライフスタイルブランドが各キーワードに基づきどのように顧客を魅了しているのかを紹介する。

#SMALL LUXURY

「コレクションしたくなるようなパッケージデザイン、消費者のニーズを反映した新しいカラーとテクスチャー、そして製品を直接体験できるオフラインのポップアップストアまでがZ世代が『イヴ・サンローラン』の“ラブシャイン”ラインに熱狂する理由です」
--「イヴ・サンローラン」ビューティコミュニケーションチーム

韓国のZ世代の消費は、自己満足のための“小さな幸せ”を追求する傾向が強い。これには、ラグジュアリーブランドのリップスティックや香水カテゴリーの消費が着実に成長している背景がある。ラグジュアリーブランドを消費する年齢が次第に低くなる中、Z世代の心をつかんだのは「シャネル(CHANEL)」「ディオール(DIOR)」「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」など著名ブランド。その中でZ世代の間で最もホットなビューティキーワードである「メイクアップ」「パーソナルカラー」「グロウ」を全て反映したしっとりとしたテクスチャーのリップスティックが人気だ。2022年の発売以来、最近まで新しいテクスチャーとカラーを追加してラインアップを強化した「イヴ・サンローラン」の“ラブシャイン”は、Z世代に最も愛されている製品としても挙げられており、多彩なカラー展開が好調に推移する。

「ディオール」も、アイコニックな“ハイドレーティング リップバーム”と“ディオール アディクトリップ グロウ”がベスト製品の仲間入りを果たした。今年発売された“ディオール アディクト リップ グロウ”は、イエベからブルベまで合わせて17色展開で、Z世代に人気の製品。同製品は、ほんの少し塗るだけで生き生きとした艶っとしたグロウメイクを完成することができ、多くの人から支持を得ている。「ディオール」のビューティコミュニケーションチームは、グローリップの人気について「若い消費者が自然な血色感とグロウ効果を好む傾向を反映した製品」とコメントする。

ラグジュアリービューティの代表格である「シャネル」は、25年春夏コレクショで、透明感のある発色が特長のリップスティックを発表した。高級でモダンなホワイトのケースと水を含んだようにしっとりと自然に発色する独特なカラー感が、Z世代の心を掴んでいる。

#UNIQUE

「Z世代の好奇心を絶えず刺激するために、初めて経験する新鮮な処方や発色、収集欲を刺激するオブジェ、2つ以上の機能を持つマルチユースアイテムなど、ブランドならではの色を出す過程を最も重要視している」
--フィー マーケティングチーム チョ・キョンチェ

溢れかえっている美容製品の中で、トレンドに敏感なZ世代の心を掴むためには、ブランドの確固たるアイデンティティーをもとに、一目で目を引くような独創的なコンセプトが必要だ。Z世代をターゲットにしたビューティブランドが、これまでにない新鮮な製品力とユニークで大胆なビジュアルを打ち出す理由がここにある。ポット型美容アイテムのトレンドを創出した「フィー(FWEE)」は、滑らかな仕上がりのプリンポットともちもちとしたグローテクスチャーのゼリーの2種類のテクスチャーで構成された30色のリップ&チークをアイコニックなパッケージに入れ、自己表現を楽しむZ世代から注目を集めた。

ブランド特有のカラフルなパッケージとデザインが目を引く韓国生まれのフレグランスブランド「キース(KEYTH)」も、確かな世界観を持つブランドの一つ。従来の枠を破る丸い形のハンドクリームをはじめ、スキンケア製品ではなかなか見られなかったキッチュなパッケージとコンセプチュアルなビジュアルで、プレゼント需要が高く、ファッションアクセサリーのように活用しやすいビューティアイテムとして定着した。

Z世代が熱狂する、大胆で過激な美学を追求する「リスキー(RISKY)」は、独特の手法でブランドのアイデンティティーを確立している。誰でも似合うデイリーアイテムではなく、鮮明な色彩感とグラマラスなパールテクスチャーで構成されたピグメントアイシャドウパレットを活用したメイクアップルックが、Xのように10、20代が多数活用するSNSを通じて拡散され、Z世代の共感を得ることに成功した。

#INGREDIENT

「ウェルネスとクリーンビューティに真摯に取り組むZ世代は、他のどの世代よりも賢い消費者。『 ホイップド』が優れた製品力と確固たるブランドコンセプトを重要視していることが、全製品ビーガン、低刺激性成分にこだわっている理由だ」
--イ・スビン「ホイップド」ブランドマーケティングマネージャー

健康と効能を重視し、スマートな消費文化をリードしているZ世代。 特に顔に直接触れるスキンケア製品に関しては、素早い情報収集力をもとに製品の成分や原材料を細かく比較し、独自の消費価値観を構築している。肌に優しい成分に、持続可能で倫理的な消費トレンドを反映したビーガン・フォーミュラを掲げるブランドが注目されている。その一つが、パックとクレンザーを組み合わせた新コンセプトのパッククレンザーで、ホイップクリームのようなとろりとしたテクスチャー感でZ世代に愛されているスキンケアブランド「ホイップド(WHIPPED)」。“ベーカリーレシピ”というユニークなブランドコンセプトを掲げた「ホイップド」の“ヴィーガンパッククレンザー”は、全ての原料を最上級の産地で厳選した100%ビーガンのものを使用し、クレンザーに50%以上のスキンケア成分を加え、従来のクレンジング市場では見られなかった革新的な製品群を誕生させた。

#PERSONAL

「メディアへの露出をいくら増やしても、結局、全ての消費者を満足させることができる製品力を備えたブランドだけがロングランすることができる。デイリーメイクはもちろん、ポイントメイクにも活用でき、それぞれの肌色やテクスチャーに合わせて無限の色の組み合わせを完成させられるアイパレットを企画した」
--「デイジーク(DASIQU)」マーケティングチーム

四季のイメージによってトーンを分けるパーソナルカラーは、肌、髪、瞳の色などをもとに、それぞれの雰囲気に最も似合う色をキュレーションできる指標となります。パーソナルカラーに合ったメイクアップやスタイリングを合わせると、まるでぴったり合った服を着たような自然で目立つ外観を完成することができる。特にカラーメイクアップアイテムは肌色に大きな影響を与えるため、Z世代はメイクアップ製品を選ぶ一つの公式のように活用している。このようなニーズを反映して、多くのブランドでは、単純にイエローベースとブルーベースに分けて製品を発売したり、ブルーベースの中でもブルベ夏、ブルベ冬、イエベの中でもイエベ秋、イエベ春など細かく分けて製品を販売する。特にパーソナルカラーを適用しておのおのの肌色によって選べるアイパレットとリップラインを展開する「デイジーク(DASIQU)」が良い例だ。「デイジーク」は肌のトーンによって製品をおすすめし、発色力とカラースペクトルに優れ、レイヤリングしやすいカラーで構成しているため、活用度が高い。このようにカラー感が重要なメイクアップ分野でパーソナルカラーを活用している。

マスカラで有名な「ミュード(MUDE)」は、マスカラではあまり見かけない10種類のカラーをバリエーションがあり、瞳の色とトーンを合わせたり、その日のメイクの雰囲気に合わせたりして多様に活用できる。「ミュード」マーケティングチームのパク・ジウンチーム長は「『ミュード』のマスカラは、これまで見られなかった多彩なカラーラインアップに、まつげの量や質に関係なく、誰でもまつげの最後まで丁寧に塗ることができる超スリムなブラシを搭載し、ドラマティックなイメージチェンジが可能だ。 個性的なルックを好むZ世代にぴったり」と「ミュード」のマスカラが大きな反響を呼んでいる理由を述べた。

海外市場でも注目されているビューティブランド「ティルティル(TIRTIR)」でもやはり45色という幅広いカラー展開と自然なカバー力を備えたマスクフィットレッドクッションが人気を集めていまる。ブランド独自のベース調色技法から誕生したアジア人の肌色に合わせた5つのシェードから、より暗い肌色のためのカラーシェードまで。世界中のさまざまな人種の肌色に合わせて考案されたカラーから、どんな肌色にもぴったりのカラーを選ぶことができる。

膨大な情報量と製品の選択肢に疲れた消費者のためのキュレーションショッピングに対するニーズが徐々に拡大していることから、パーソナルカラーを活用したメイクアップキュレーションショッピングの人気は今後も続くと予想している。

#COST-EFFECTIVENESS

「Z世代の消費者にとって'コストパフォーマンス'は、合理的な消費のための重要な基準となります。 そのため、コストパフォーマンスの良いビューティ製品を紹介するために、アクセスしやすいプラットフォームとリーズナブルな価格はもちろん、製品の完成度を見逃さないようにした。 価格を問わず、製品自体の品質が競争製品に品質が劣らないようにすることに重点を置いている」
--ソンアンドパクコスメティック商品企画チーム チョ・ジヨン

Z世代は「コストパフォーマンス」を単純な費用対効果だけでなく、感性的な価値や持続可能性を含めた総合的な満足度を重要視する。 特にビューティカテゴリーではこの傾向が目立つ。“コストパフォーマンスの天国”と呼ばれる「ダイソー(DAISO)」では、価格競争力と品質を兼ね備えたビューティ製品が登場しており、「ダイソー」品薄現象を起こした。

「VT」“リードルショットアンプル”を皮切りに、「ソンアンドパク(SON&PARK)」の“Aスプレッドカラーバーム”までZ世代から爆発的な反応を得た。Z世代が熱狂するコストパフォーマンスの高い製品は、費用対比で最高の製品力を引き出したインディーズビューティブランドが中心となり、ブランド認知度向上に貢献する効果があり、入店競争がさらに激化している。

コストパフォーマンスの高いビューティブランドの人気が日に日に高まる中、認知度の高いブランドも「ダイソー」やコンビニエンスストア専用ブランドや製品を立ち上げ、市場に参入している。その中でも「マモンド(MAMONDE)」は30年の歴史をもとにセカンドブランド「ミモバイマモンド(MIMOBYMAMONDE)」を立ち上げ、“水分ライン”“トラブルライン”を販売。「ダイソー」に入店すると4カ月で100万個以上の販売記録を達成した。 また、Z世代に「マモンド」がミニマムなクリーンビューティーブランドというイメージを植え付け、売り上げとブランド認知度向上を同時に高める効果を得ることに成功した。

EDITOR: イスル

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