
ヘアケアブランド「ボタニスト(BOTANIST)」や「ヨル(YOLU)」などを展開するI-neは8月1日、同社初となる研究開発拠点を設立した。名称は「日本美科学研究所(Japan Beauty Institute of Science and Technology )」、通称“ジェービスト(JBIST)”。研究所長には、ポーラ化成工業の元研究員、竹内啓貴氏が就任した。ジェービストで手掛けた製品は26年に市場投入を予定している。
同社は、製造設備を持たないファブレス企業で、OEM・ODMパートナーとの連携に強みを持つ。今回の研究所では、同社のマーケティング主導の開発姿勢を軸に、差別化技術の内製と製造工程の外部連携を両立させた「ファブレス型 R&D」を推進する。
研究開発の中核となる独自処方やエビデンス構築、特許出願などは自社で担い、製剤化や量産体制は外部パートナーと連携する体制とする。大規模な設備投資に依存せず、高度でユニークな製品開発を可能とするのが特徴だ。
生活者インサイトを起点にした研究テーマの設定や、社長直下の迅速な意思決定体制も特徴の一つ。マーケティングと研究開発を一体化させ、「売れる・選ばれる・続けられる」製品開発を目指す。
さらにジェービストは、外部知見との連携を視野に入れた「コンソーシアム」型の研究体制を構築。すでに佐賀大学の徳留嘉寛教授(化粧品分野のドラッグデリバリーシステム研究)との連携を進めており、今後も大学や専門家との共創により開発の高度化を図る。
また、AIなどの先端技術を活用したライトアセット型の少数精鋭ラボ体制も構築。処方設計や品質管理など、従来時間と人手を要していた工程の効率化を進め、小規模ながらも独自性を備えた研究開発モデルを確立する。