米「WWD」は、毎年恒例となっているビューティ企業のエグゼクティブの報酬ランキングを発表した。ビューティ市場の勢いは止まらないかに見えていたが、最近は減速傾向が鮮明になっている。報酬ランキングも変化し、例年は米国企業の経営者がトップ10の大半を占めていたが、2024年度は欧州企業から3人がランクインした。また、前年度は大差をつけてトップに立っていたコティ(COTY)のスー・ナビ(Sue Nabi)最高経営責任者(CEO)が16位に、プロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE)のジョン・モーラー(Jon Moeller)会長兼社長兼CEOが3位から1位に浮上した。
昨年は、スイスの製薬メーカー、ガルデルマ(GALDERMA)と、スペインのファッション・フレグランス企業プーチ(PUIG)の大型上場が注目を集めた。両社のフレミング・オルンスコフ(Flemming Ornskov)CEOとマーク・プーチ(Marc Puig)会長兼CEOは、それぞれの上場日の3月と5月以降の報酬から算出したにもかかわらず、ランキングの上位に入った。
金額の上昇率で最も大きかったのは、「ニベア(NIVEA)」「コパトーン(COPPERTONE)」「ラ・プレリー(LA PRAIRIE)」などを展開する独バイヤスドルフ(BEIERSDORF)のヴィンセント・ワーナリー(Vincent Warnery)会長で、株式割当増資により前年比425%増となった。花王の長谷部佳宏社長も同110.6%増と大幅にアップした。一方、最も下落したのがコティのスー・ナビCEOで、同95.1%減だった。ランキングに入った30人のうち、13人は報酬が増加し、10人は減少した。
【2024年度 ビューティ企業CEO報酬ランキング トップ30】
1位↑
ジョン・モーラー/
プロクター・アンド・ギャンブル会長兼社長兼CEO
前年比: +5.8%増
2位-
フレミング・オルンスコフ/
ガルデルマCEO
前年比: -
3位↑
ノエル・ウォレス(Noel Wallace)/
コルゲート・パーモリーブ会長兼社長兼CEO
前年比: +6.5%
4位↓
ファブリツィオ・フリーダ(Fabrizio Freda)/
エスティ ローダー カンパニーズ前社長兼CEO
前年比: -18.2%
5位↑
ヴィンセント・ワーナリー/
バイヤスドルフ会長
前年比: +425%
6位-
マーク・プーチ/
プーチ会長兼CEO
前年比: -
7位-
ティモシー・ウェントワース(Timothy Wentworth)/
ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスCEO
前年比: -
8位↓
ティボー・モンゴン(Thibaut Mongon)/
ケンビューCEO
前年比: -33.2%
9位→
ニコラ・イエロニムス(Nicolas Hieronimus)/
ロレアルCEO
前年比: -5.7%
10位↑
ロッド・リトル(Rod Little)/
エッジウェル パーソナル ケア社長兼CEO
前年比: -0.8%
11位↑
ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)/
LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン会長兼CEO
前年比: 横ばい
12位↑
タラン・アミン(Tarang Amin)/
E.L.F.ビューティ会長兼社長兼CEO
前年比: +49.7%
13位↓
ジェローム・ランバート(Jerome Lambert)/
コンパニー フィナンシエール リシュモンCEO
前年比: -10.8%
14位↑
アクセル・デュマ(Axel Dumas)/
エルメス・インターナショナルCEO
前年比: +24.5%
15位↓
カーステン・クノーベル(Carsten Knobel)/
ヘンケル会長
前年比: +1.2%
16位↓
スー・ナビ/
コティCEO
前年比: -95.1%
17位-
ハイン・シューマッハ(Hein Shumacher)/
ユニリーバ前CEO
前年比: -
18位↓
ライアン・ナピアスキー(Ryan Napierski)/
ニュースキン エンタープライズ社長兼CEO
前年比: +2.6%
19位-
フランソワ・アンリ・ピノー(Francois Henri Pinault)/
ケリング会長兼CEO
前年比: -14%
20位↓
サウガタ・グプタ(Saugata Gupta)/
マリコ=マネージング・ディレクター兼CEO
前年比: -5.6%
21位↑
スディール・シタパティ(Sudhir Sitapati)/
ゴドレジ・コンシューマー・プロダクツ=マネージング・ディレクター兼CEO
前年比:+31.8%
22位↓
小林一俊/
コーセー社長
前年比: -4.7%
23位↓
魚谷雅彦/
資生堂前会長兼CEO
前年比: +5%
24位↓
ジャン・マダル(Jean Madar)/
インターパルファム会長兼CEO
前年比: 横ばい
25位↑
長谷部佳宏/
花王社長
前年比: +110.6%
26位↓
ジョナサン・マイヤーズ(Jonathan Myers)/
PZカソンズCEO
前年比: -11.4%
27位↓
モヒット・マルホトラ(Mohit Malhotra)/
ダブール・インディアCEO
前年比: +9.6%
28位-
アマンダ・ボールドウィン(Amanda Baldwin)/
オラプレックスCEO
前年比: -90.3%
29位→
ハーシャ・アガーワル(Harsha Agarwal)/
エマミ副会長兼マネージング・ディレクター
前年比: +12.8%
29位→
モハン・ゴエンカ(Mohan Goenka)/
エマミ副会長兼常勤取締役
前年比: +12.8%
※上場企業の公開情報を基に算出。基本給、賞与、そのほかの報酬を含む。自社株保有による収益は必ずしも含まない
※順位はドル換算した金額によるもの
※財務報告義務等の違いにより下記の公開企業の情報は未反映:
エギョン・インダストリアル(AEKYUNG INDUSTRIAL)、アモーレパシフィック(AMOREPACIFIC)、バス&ボディワークス(BATH & BODYWORKS)、ベターウェア・デ・メキシコ(BETTERWARE DE MEXICO)、ブルーメイジバイオテクノロジー(BLOOMAGE BIOTECHNOLOGY)、広東丸美生物技術(GUANGDONG MARUBI BIOTECHNOLOGY)、LGハウスホールド&ヘルスケア(LG HOUSEHOLD & HEALTH CARE)、ライオン、マンダム、ミルボン、ナチュラ&コー(NATURA & CO.)、ノエビア、オディティ・テック(ODDITY TECH)、ポーラ・オルビスホールディングス、プロヤ コスメティックス(PROYA COSMETICS)、シャンハイ・シックマックス・コスメティック(SHANGHAI CHICMAX COSMETIC)、シャンハイ ジャワ ユナイテッド(SHANGHAI JAHWA UNITED) 、ヴィクトリアズ・シークレット(VICTORIA’S SECRET)、ヤッセン・ホールディング(YATSEN HOLDING)、ウンナン・ボタネ・バイオ・テクノロジー・グループ(YUNNAN BOTANEE BIO-TECHNOLOGY GROUP)