ファッション
連載 1%から見るファッション

さまざまな身体の当事者が考える“多様なファッション” 金森香プロデューサー×車いすジャーナリト徳永啓太

有料会員限定記事

 社会ではさまざまな人種や性別を認める動きがあり、ファッションも例外ではない。ショーモデルも2017年ごろからは多様になってきた。そんな中、先駆けて多様な体型の人たちをショーのモデルにしてきたのは、金森香プロデューサー。彼女に「なぜ興味を持っているのか?」を伺いながら、近日公開のイベント現場を取材した。(この記事はWWDジャパン2021年5月24日号からの抜粋に加筆しています)

 金森さんが多様な身体に興味を持った原点は、ロンドンの美術大学セントラル・セント・マーチンズ(Central Saint Martins)で学んだパフォーミングアーツまでさかのぼる。「アートは舞台や美術館がないとできないし、日常から断絶してしまう。ファッションのスゴさは、人々の生活に入っていけることだと思うんです」。帰国後、2001年にはプロデューサーという役割で「シアタープロダクツ(THEATRE PRODUCTS)」を立ち上げ。それでも「常に『身体芸術としてのファッション』という目線」だったそうだ。だから「私は年齢や体型、性別など、いろんな人がいて当たり前というマインドセットなんですが、ファッション業界には画一的な理想像があった。そこに違和感を覚えたんです。オートクチュールのように一人ひとりに届けることはできないことは理解していたものの、ずっとモヤモヤした状態でした」。

 大きな転機は14年、義足をつけている方が「シアター プロダクツ」のコレクションを着て登場したランウエイショーだった。「20分間のショーの中で全てを伝えるのも素敵ですが、そこに至るまでのプロセス、当事者の身体や生活などに向き合っている時間がすごく刺激的だったんです。ファッション業界もいろんな境遇の人と向き合うことが大切と感じ、世間の人にもシェアしたいと考えるようになりました」。

この続きを読むには…
残り1500⽂字, 画像5枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

韓国ブランドの強さに迫る 空間と体験、行き渡る美意識

日本の若者の間で韓国ブランドの存在感が増しています。K- POP ブームが追い風ですが、それだけでは説明できない勢い。本特集では、アジアや世界で存在感を示すKブランドや現地の人気ショップの取材から、近年の韓国ブランドの強さの理由に迫ります。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。