ファッション

グッチがミケーレ色あふれるラボをオープン 世界初レザーグッズとシューズの生産機能を1つの施設内に

 ケリング(KERING)傘下のグッチ(GUCCI)は、イタリア・フィレンツェ郊外のスカンディッチにアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)=クリエイティブ・ディレクターの世界観を色濃く反映した新生産拠点、グッチ アートラボ(Gucci ArtLab)をオープンした。

 施設の外壁は、ココ・キャピタン(Coco Capitan)、イグナシ・モンレアル(Ignasi Monreal)、アンジェリカ・ヒックス(Angelica Hicks)、グッチ・ゴースト(Gucci Ghost)、ジェイド・フィッシュ(Jayde Fish)、アンスキルド・ワーカー(Unskilled Worker)などミケーレのお気に入りのアーティストたちの作品が描かれている。

 施設内部は赤い螺旋階段や中国の楽園をイメージしたプリント“グッチ ティアン(Gucci Tian)”が全面に描かれた部屋が用意され、社員の休憩所はレッドカーペットが敷かれ、ミケーレが愛するビンテージのソファやカラフルなアームチェアで彩られている。新たに150人を雇用し800人となった従業員は、“Maison de l’amour(愛の家)”と書かれた白衣を着用して作業に打ち込む。ミケーレの世界観を反映した施設は従業員1人1人の創造性を刺激し、生産過程で自己表現を発揮させる狙いがあるという。

 同施設は靴下の生産会社だった建物を約2年かけてリニューアルし、3万7000平方メートルの広さに拡張して完成した。マルコ・ビッザーリ(Marco Bizzarri)社長兼最高経営責任者(CEO)はこの施設への投資額は明らかにしなかったが、「グッチ史上最大の産業投資だ。世界で初めてレザーグッズとシューズの生産ラインを1つの施設内に収めた。この2つのカテゴリーを合わせると売り上げの70%、約40億ユーロ(約5280億円)を占める」と言う。2015年1月に同職に就任したビッザーリは「就任3カ月で課せられた課題は、40%のサプライヤーを大幅にカットすることだった。生産工程を全て社内で手掛けることで、商品に付加価値を与えることができる。就任時には社内生産の割合は5〜7%だったが、今は50%まで引き上げた」と語る。

 グッチの売上高は14年の約35億ユーロ(約4620億円)から17年には約62億ユーロ(約8184億円)へと増加し、ミケーレとビッザーリCEOの就任以来、同社は目覚しい成長を遂げている。オープニングセレモニーに訪れたフランソワ・アンリ・ピノー(Francois Henri Pinault)=ケリング会長兼CEOは、同施設は「グッチの驚異的な成長を支え、企画から生産までの時間を短縮し、エクスクルーシブであることであることとクオリティーを維持する役割を担う。サステイナビリティー面で業界をリードしつつ、地域とのつながりを深めることは非常に重視している。イタリア人は自分たちの職人技の素晴らしさに気づいていない人が多いが、グッチ アートラボはフランスでは実現しなかっただろう。ルーツに誇りを持ち、引き続きここに投資し続ける」と語った。同社は全世界で約1万3000人の従業員を抱えるが、約5000人がイタリアで働き、そのうち約2000人がフィレンツェで働いている。さらに、スカンディッチで別の生産プロジェクトの存在も示唆したが、詳細は明らかにしなかった。

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