ビューティ

スプツニ子!「ロレアル・ユネスコ女性科学者 日本特別賞」受賞の思いを語る

 日本ロレアルは7月8日、2016年度 第11回「ロレアル―ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」の受賞者を発表し、授賞式をフランス大使公邸で開催した。日本特別賞には、テクノロジーやサイエンスが人々の価値観や社会にどのような影響をもたらすのかを考察する作品を数多く制作しているアーティストであり、マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ助教を務めるスプツニ子!が選出された。理系のバックグラウンドを生かしながら、アーティストとして斬新な発想を作品に表現し、さらにソーシャルメディアなどを通じて国内外に広く発信するなど、その功績が高く評価された。今回の受賞についてスプツニ子!にインタビューした。

WWDビューティ(以下、WWD):受賞を聞いた時はどうだったか?

スプツニ子!:今回の賞は、私のルーツが報われるような特別な思いがあった賞だったのでとても嬉しかったです。しかし、その反面、まだ活動を始めたばかりなので、これから社会に対する女性科学者の立場を変えていく励みにしていこうと思います。

WWD: 現在の女性研究者の立ち位置をどのようにとらえているか?

スプツニ子!:私に一番影響を与えてくれた研究者の母が、1960年代のイギリスで数学を専攻しようとした時、当時の高校の先生に「理系は女性には向かない」と言われてしまうような時代でした。しかし母は、その言葉にめげることなく大学の数学科を首席で卒業して、のちに大学の数学教授になりました。ですが50年が経った今でも、「理系は男性が進む道」という迷信めいた考えが存在していたり、実際の研究の世界でも先輩たちを見ると、男性研究者ばかりで女性研究者のロールモデルが少なかったりと、サイエンスを志す若手の女性研究者が不安に思ってしまう場面がまだまだ多いです。しかし、サイエンスとテクノロジーは未来の扉を開く“希望”だと思っているので、多くの女性の視点、多様な視点が入っていくことが必要不可欠だと思います。ですので、もっと多くの女性が希望をもって科学を志せる環境を作るのは本当に大事だと感じています。

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