ビューティ

米国で高感度ショップを中心に支持 ラグジュアリーリップコスメ「ヘンネオーガニック」こだわりとは?

 今秋、日本に初上陸を果たした米国発オーガニックリップケア専門ブランド「ヘンネオーガニック(HENNE ORGANICS)」は、2015年にラスベガスで誕生した。オールハンドメードの実直なモノ作りと、スカンジナビアのミニマリズムデザインから着想したモダンでクリーン、そしてミニマリズムをうたうブランド哲学が支持され、立ち上げから4年で米国内に約500店舗まで取り扱い店舗を増やすほど急成長している。販売店は百貨店のノードストロム(NORDSTROM)や、世界中からクリーンなアイテムを厳選するビューティセレクトショップ「クレド(CREDO)」、ナチュラルコスメを取り扱う「キャップ ビューティ(CAP BEAUTY)」、ファッションストア「アンソロポロジー(ANTHROPOLOGIE)」などで、とりわけ感度の高い顧客から人気で2年目には国外進出し、現在約20の国と地域で販売。日本ではマッシュビューティーラボが運営するナチュラルコスメのセレクトショップ「メイクアップキッチン」と公式オンラインショップで販売する。創設者のローラ・シャオCEOに、ブランド哲学やモノ作りに込めた思いを聞いた。

WWD:ブランド立ち上げには5年間の旅が大きく影響しているようですね。

ローラ・シャオ=ヘンネオーガニック創設者 兼 CEO(以下、シャオ):コンセプトである“Less is more”が、スウェーデン、デンマーク、ニュージーランド、オーストラリアを旅して回っていたころ、運べるものが4つのスーツケースだけという経験から生まれました。それまではミニマリズムとは反対の生活で、クローゼットは3つありましたし、なんでもたくさんのものを詰め込むタイプでした。ですが自分の人生にとって大事なものだけを選びとる生活を始めてみたら、モノをたくさん持つよりも自分が大切にしているもの、高品質なもの、ほかにないワン・アンド・オンリーのものを大切にするライフスタイルを心地よいと感じ始めました。アメリカに戻った後も、何かを買ったら必要なくなったものを寄付するようなサイクルの生活を続けています。

WWD:まずは何を作ろうと思ったのですか?

シャオ:旅をして回った国々では“グリーン・ビューティ・ブランド”の選択肢がアメリカより充実していて、体に有害なものを容易に避けることができました。一方でアメリカはそれらの国と比べて規制が緩いため、私たちは多くの有害物質を日々使う化粧品から吸収してしまっていることを知り、こうした状況を変える必要があると感じました。ただ、化粧品ブランドをつくろうと計画していたわけではなく、LAからラスベガスに移り住んだときに、砂漠の環境下で唇がすごく乾燥して荒れてしまったため必要に迫られてのことでした。自宅のキッチンで始めたものが、第1弾製品の「ラグジュアリーリップバーム」として発売に至りました。シアバターやカカオバター、ココナッツオイルなどの天然成分が優れた保湿力を発揮するものです。

WWD:化粧品製造の知識はどこから得たのですか?

シャオ:自分でケアするためのものを少しは作ったことがありましたが、化粧品学を勉強したわけではありません。「ヘンネオーガニック」を始めるときは、消費者から信頼を得るためにUSDAオーガニック認証を取得する必要があると考えていたので、自分たちで科学や植物学も勉強しました。

WWD:原料調達や製造工程についてはどうですか?

シャオ:世界中から集めている原料は、子どもや女性を不当に働かせていない、適正価格で取引されたフェアトレードによるものを使用しています。例えばリップティントに入っているパウダー原料の一つは、子どもや女性を奴隷的に働かせて調達している場合が多いでのすが、「ヘンネ」では使いません。化粧品の原料はどこかの工程で搾取が行われていることがあり、そうした点にも注意を払って選ぶようにしています。それはビジネスのためではなく、自分の中にある正直さやフェアな気持ちによるものです。

WWD:感度の高いセレクトショップなど、米国内で500近くまで取り扱い店舗を増やしています。短期間に急成長している要因は?

シャオ:最初はニューヨークにある「キャップビューティ」が取り扱ってくれました。意外とうまくいったのは、私にビューティのバックグラウンドがなかったためビューティ産業のことをよく知らず、恐怖心がない分、どこにでもアタックすることができたからでしょうか。断られても全然怖くないので(笑)。

WWD:人気の秘密は何だと思いますか?

シャオ:「ヘンネオーガニック」は、非ナチュラル・非オーガニックのコスメから切り替えても効果や満足感が得られることにこだわっている点が特徴です。パッケージデザインにもこだわっていて、スウェーデンにインスパイアされたミニマリズムとラグジュアリー感も表現しています。ナチュラルだからといって、ラグジュアリーを諦めなくていいように作っています。オーガニック認証を受けた成分を使用していることやフェアトレードに留意している点、パッケージデザインにもこだわって、ほかにない製品を作っているということが評価されていると思います。

WWD:リップケアに特化していますね。

シャオ:第1弾として発売したリップバームで得た信頼をより強固なものにするために一つのパーツケアをより深めて、リップケアの製品ばかりを拡充していきました。リップケアだけで5品10種、リップティントのようなメイクアイテムも作りました。

WWD:今後はカテゴリーを増やしますか?

シャオ:リップ以外の製品を年内に米国で発売したいと思っています。どんなアイテムかはまだ言えませんが。エイジングサインが現れやすい場所とかパーツケアに特化したアイテムが増やせたらいいですね。今は私を含めて開発者が2人、自社工場で働く人が4人という体制で作っていますが販路が広がっているので、来年末にはもう少し大きなところにファクトリーを移す予定です。

WWD:日本市場に進出した理由は?

シャオ:最初は米国市場しか見えていませんでしたが、今では20以上の国と地域で展開しています。そして、「ヘンネオーガニック」は日本市場に合っていると思います。なぜならスウェーデン文化は日本の文化と似ているところがあって、シンプルでミニマルなものに価値を見出すブランドの世界観が日本の消費者にも受け入れられると思うからです。

WWD:今度の展開について教えてください。

シャオ:今借りている場所の契約が終わります。来年末に移転する次の場所は3年間の予定ですが、その期間で可能な限り成長を続けたいです。ゼロから始まって、今は4年間の経験があります。経験を通してどういう店で売れる・売れないということを学んだので、ブランドにフィットする店にだけ販売していきます。店舗数というよりは、需要がある販売場所で展開を広げて、小売店にも貢献しながらブランドを大きくしていきたいですね。

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