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「シャネル」や「カルティエ」が参加するコルベール委員会と東京藝術大学がタッグ “令和”を表現した作品を展示

 コルベール委員会(COMITE COLBERT)ジャパンと東京藝術大学が提携し、未来の文化とアーティスト育成を目的とした共同プロジェクト「コミテコルベールアワード 2019 -令和:新しい時代-」展が11月20日まで東京・上野の同大学で開催中だ。本アワードは、2018年に始まり、今年で2回目の開催となる。今年のテーマは“令和(New Generation)”。東京藝術大学の学生が、新しい時代“令和”をそれぞれに解釈したアート作品を制作した。展覧会では、63人の応募作品から1次審査で選出された12作品を展示している。

 展覧会に先立つ8日には、12人の作品からさらに2次審査で選ばれた3人の優秀作品の発表と、その授賞式が行われた。2次審査の審査員を務めたのは、日比野克彦・東京藝術大学美術学部長、秋元雄史・東京藝術大学 大学美術館館長兼教授、ノルベール・ルレ(Norbert Leuret)LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン ジャパン社長、ヴェロニカ・プラット・ヴァン・ティール(Veronica Prat van Thiel)=リシュモン・ジャパン カルティエ プレジデント兼CEO、リシャール・コラス(Richard Collasse)=コルベール委員会ジャパン会長兼シャネル(合)会長だ。

 受賞したのは、金森由晃、太田琢人、門馬さくらの3氏。金森氏は植物の影を撮影し、それをセメントの上にプリントした作品を制作。「効率化が進み、無益なものは急激に削がれていくこの激動の時代に自身を失う怖さと共に生きている」と感じ、「そんな中、アスファルトの隙間から芽を出し、淡々と自らの時間軸を生きる植物にある種の憧れを抱いた」という。受賞について、「このような名誉ある賞をいただきありがたいと同時に、作品のコンセプトや自分の考えていることがきちんと伝わっていることをうれしく思った。これからも自分の感覚や目に見えないものを大切にしながら作品制作を続けていきたい」と語った。ヴェロニカ・プラット・ヴァン・ティール プレジデント兼CEOは「現在の世界はとても速いスピードで変化している。私たちはひたすら進み続け、時に世界や自然の美しさを描くことさえしなくなる。金森氏の作品は私たちに自然の美しさを思い出させてくれた」と話した。

 太田氏は太さ3mmの竹を使い、風などの力が加わることで移動するオブジェを制作した。「『RUBBISH THINGS』は、押されたとしても、踏ん張り戻ってくる。そして自分の心地のいい場所を自分で探す。モノに芽生え始めた新たな『意思』を感じることができるだろう」と自作について述べ、「大学入学以前は2年間フリーターをしていて、いろいろな世界を見てきた。今回の受賞を踏まえて、今後はどのような作品を作っていくか、これから考えていきたいと思う」と語った。ルレ社長は太田氏の作品について「驚いた!面白くてフレッシュだ」と称賛した。

 門馬氏は「令和の時代、ソーシャルメディアをはじめ、顔を隠しながら対話することはますます増えていく」と考え、「顔を隠しているからこそ、普段と違う自分になれるような感覚があるが、私たちがまとう仮面は、本当に顔が隠れているのか」と疑問視。それを刺しゅうで制作した能面で表現した。「私が刺しゅうで作品制作を始めたきっかけは、オートクチュールの素晴らしいドレスを見たことだった。だから、そのオートクチュールを扱うメゾンの方々から選んでいただけたことがうれしい」と受賞の喜びを語った。秋元館長兼教授は「美しく、繊細な作品。パリで学んだ刺しゅうを現代アートに変換している点、そして失われゆく伝統技術を生かしている点が評価された」と述べた。コラス会長も「作品自体の素晴らしさはもちろん、今年の“令和”というテーマにとても合っていた。仮面か本物かという考えは今後の私たちが抱えるひとつの大きな課題であり、ソーシャルネットワークと非常にリンクする」とコメントした。

 なお本アワードは、3年プロジェクトとして来年も開催される。18年から20年までの3年間で選ばれた計9人のファイナリストは、21年にフランス・パリで開催される国際コンテンポラリー・アートフェア(FIAC)へ参加招待されることが決定している。

■コミテコルベールアワード 2019 -令和:新しい時代-
日程:11月9日~20日
時間:10:00~17:00(最終入館16:30)
場所:東京藝術大学大学美術館 本館 展示室1
住所:東京都台東区上野公園12-8
入場料:無料