ファッション

「ポール・スチュアート」が管理職女性向けバッグ強化 機能×デザインで市場の空白を狙う

 三陽商会の「ポール・スチュアート(PAUL STUART)」が管理職女性向けバッグの販売を強化している。2016年秋に発売したビジネス向けトート“ファーストバッグ”がけん引し、19年春夏のバッグの売り上げは前年同期に対し約300%増。同ブランドとしては初めてとなるバッグにフォーカスしたポップアップストアも企画し、17日まで小田急百貨店新宿店で、25日から10月1日に松屋銀座店で展開する。バッグの特徴は、女性らしいデザインと高い機能性を両立したこと。嶋﨑浩二ポールスチュアートビジネス部婦人服企画課長は「女性用バッグの小型化が進む反面、女性の社会進出を背景に高い機能性を備えた商品のニーズが高まっている。われわれはその空白を狙っていく」と話す。

 “ファーストバッグ” (5万6000~8万円)は通常サイズと小ぶりなミディアム、ミニの3型。売り場の声を元に、「バッグに機能性を求める女性は男性用のビジネスバッグを仕方なく使っており、デザインに不満を持っている」という仮説を立て、商品開発に生かした。売れ筋はA4サイズまですっぽり入る通常サイズ。デザインはクロコ調の型押しとスムースレザーの2種類で、いずれもクラシックで落ち着いたデザインながら、中を開けば計13のポケットを備え、タブレットや小型PCなどを収納するためのクッション材も装備。床においても自立するよう底鋲も施した。素材の調達、縫製はすべて日本。嶋﨑企画課長は「アパレル企業ならではのコーディネートにすんなり馴染むよう計算されたデザインに加え、バッグ専業ブランドに負けないような機能性をうまく融合できたこと」と好調要因を分析する。

 ポップアップストアは小田急百貨店新宿店、松屋銀座店のいずれも雑貨フロアで展開。ポップアップ限定のカスタムサービスや限定モデル販売も実施する。ブランドの主要顧客層は50代以上だが、バッグをフックにこれまでアプローチできなかった20代後半以降の若い女性にも拡大を狙う。

 ブランドとしても、女性のキャリア形成について講演会を実施するなど、タッチポイントを増やしている。「百貨店を取り巻く状況は変わり、箱型の売り場を構えて服を売っているだけでは難しくなっている。また女性の社会進出に伴い、百貨店売り場からは『ビジネスウーマンの即戦力になるバッグがあれば』との声が聞かれる。その課題解決となるような展開を積極的に増やしていきたい」(嶋﨑企画課長)。

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