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小橋賢児が屋内キッズパークをプロデュースした理由

 最近はイベントプロデューサーとしても活躍する小橋賢児はこのほど、横浜駅直結の駅ビル「アソビル」に宇宙をイメージした屋内キッズパーク「プチュウ(PUCHU!)」をプロデュース&オープンした。

 公式ロゴは、「ガールズ ドント クライ(GIRLS DON’T CRY)」を手がけるVERDY。プロジェクションマッピングの滑り台からDJテーブルまで、トップクリエイターによる新時代のキッズパークだ。2017年1月に長男が生まれた小橋に、キッズパークへの思いを聞きつつ、良きパパとして長男と遊ぶ様子をカメラに収めた。

WWD:子どもの影響が大きいと思うが、なぜ今、キッズパークなのか?

小橋賢児(以下、小橋):子どもと一緒に暮らすようになって、「あれ?小さな子どもが一緒だと、こんなところに“追いやられる”の?」と痛感した。商業施設のレストランでは隅の席を案内されるし、イロイロ“雑”なカンジ。“雑”なのは遊び場も同じで、幼い子どもは初めての場所だから楽しめるけれど、大人から見ると長年アップデートされていないし、センスも今ひとつ。だから今のお父さんやお母さんには、正直居心地が良くない。プロデュースするイベント同様、「日常の中の非日常」を提供することで、気づきのきっかけを作りたい。自分は当時の直感を信じて未来を作ってきたけれど、子どもが生まれて将来を考えた時、幼い頃から「気持ち良い」「美しい」「可愛い」そして「楽しい」というハートとアートのセンスを磨いて欲しいと思った。

WWD:「子どもができると、いろんなモノを“ガマン”しなくちゃいけない」といろんな人から聞く。やっぱりそう思った?

小橋:「そりゃ日本は少子化になるよ」って思う。例えば北欧は、“子供ファースト”。高級レストランにも連れていける。日本はまだまだ窮屈だ。だから「プチュウ」では、お父さんやお母さんもワクワクして欲しい。

WWD:子どもはやっぱり“キャラもの”が好きだったり、お父さんやお母さんが選んだオシャレな洋服は着てくれなかったりする。大人のワクワクと、子どものワクワクを両立させるのは難しくなかった?

小橋:だから「プチュウ」は昔からの遊びを現代的に、小さくアップデートしただけ。例えばトランポリンは、音が出るしDJブースも用意したけれど、単純に飛び跳ねるだけで楽しい。「プチュウ」のために作ったカラフルなボールを敷き詰めたエリアも、昔からお祭りやイベント会場に行くと必ずある“フワフワ”の現代版。いろんな施設を見たけれど、子どもの遊びは昔から大きく変わっていなくて、だからどの施設も変わっていないし差別化できていない。細かなポイントを、現代風に解釈して味付けしただけ。

WWD:キッズパークゆえ、安全性の確保などは大変だった?

小橋:プレオープンして、子どもって本当に予測不可能なんだって痛感した。子どもって“ブラックボックス”。大人の意向なんて関係ないから「ここ行っちゃうんだ」とか「これはダメなんだ」みたいなことばっかり。今も細かな修正を繰り返している。

WWD:最愛の息子は、「プチュウ」をどう思っているみたい?

小橋:「『プチュウ』に行きたい」って毎日泣く(笑)。そして入り口まで来ると、「あ、『プチュウ』だ」って思い出すみたい。

WWD:将来的には、「プチュウ」をどんな風にしたい?

小橋:まずはアフタースクールとして、ダンスとかヨガ、パフォーマンスのクラスを開きたい。クラスと言っても勉強ではなく、遊び。遊びから得るものは、大きい。国民の幸福度が高い北欧の国々は、勉強の時間が少なくて遊びの時間が長い。たくさん遊ぶと、子どもは予測できない環境にも対応できるようになる。パソコンやスマホで例えるなら、OSがアップデートで基本性能がアップするカンジ。一方、情報を詰め込みすぎると、人間って鈍化しちゃう。遊んで想像力を養わないと。だからお父さんやお母さんには、「もっと遊ばせてあげて」って主張したい。「プチュウ」には、施設の説明にQRコードをつけて、お父さんやお母さんに遊びの効能を説明している。子どもを遊ばせているお父さんやお母さんには、堂々としていてほしい。

WWD:仕掛けるイベントも、思いっきり遊ぶためにコンテンツを現代化している。

小橋:僕は両親が共働きで、幼い頃から即行動できる環境で育った。住んでいる街が冒険のフィールドで、「Want to(〜したい)」という思いを大切に生きてきた。それが俳優になったら「Have to(〜しなければ)」って言う生き方に変わって、結果殻に閉じこもってしまった。「Want to」のスタンスで生きないと、思い通りの人生にはならない。我を忘れるくらいの体験をすると、本当にやりたいことが見つかるもの。イベントも「プチュウ」も、そんな体験をプロデュースしたいという思いは変わらない。