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「名門レナウン」は復活できるか 新社長に課せられた「負けグセの克服」

 レナウンは15日夜、次期社長に内定した神保佳幸・取締役上席執行役員(56)と、会長に就任する北畑稔社長(57)の会見を東京・丸の内で開いた。かつてアパレル業界のリーディング企業として君臨していた名門レナウンだが、バブル崩壊後は何度もリストラを繰り返して事業規模を縮小。この数年はわずかな黒字と赤字を行ったり来たりする状況が続いている。会見で神保氏は「負けグセがついている社内の閉塞感を変える」と述べた。23日の株主総会後を経て正式に就任する。

 神保氏は09年に取締役に就任して以来、北畑社長の右腕として経営の中枢を担ってきた。北畑社長は「財務や経営企画などの経験が豊富で、問題意識を共有しており、スピード感をもって実行に移せる」「(レナウンの)親会社である(中国の)山東如意科技集団からの信頼も厚い」と神保氏を評した。

 代表権のない会長に退く北畑社長は、山東如意と連携を取りながらグローバル展開などで神保氏を支える。近年、山東如意は子会社を通じて英ブランド「アクアスキュータム(AQUASCUTUM)」や、米国の機能素材「ライクラ(LYCRA)」を買収しており、レナウンも含めたグループ間の相乗効果を高めようとしている。

 今後の事業戦略については策定中の新中期経営計画で発表するとしながらも、神保氏は「減収に歯止めをかけて、しっかり利益が残るようにすることが急務」と話した。まずは主力の「ダーバン( D'URBAN)」「アクアスキュータム」「アーノルドパーマー タイムレス(ARNOLD PALMER TIMELESS)」の立て直しを図る。

 レナウンは1960年代にはレナウン娘のテレビCMで一世を風靡し、70〜80年代にはアラン・ドロン(Alain Delon)を広告塔に起用した「ダーバン」、ワンポイントマークのブームを作った「アーノルドパーマー(ARNOLD PALMER)」、90年にはコートの英アクアスキュータム社を約200億円で買収するなど、マーケットで一時代を築いてきた。ピーク時の売上高は3000億円を超え、長年、業界首位を走っていた。90年代半ばの業績悪化後は度重なるリストラを経て、2010年に山東如意と資本提携を結び、13年にはその子会社になった。直近の19年2月期も売上高が前期比4.1%減の636億円、営業損益が25億円の赤字(前期は2億1500万円の黒字)と苦戦している。

 09年就任の北畑社長は「お客さまの変化が想定以上に早いのに、その時々の商品や企画で保守的な選択をしてきてしまっていた」と反省の弁を述べる。百貨店の構成比が高く、顧客の高齢化に歯止めがかからなかった。神保氏は「スピード感をもって改革を実行に移す」と強調した。