ファッション

「ルイ・ヴィトン」、波紋を呼んでいるマイケル・ジャクソンのドキュメンタリーについて声明 

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は、没後10年を迎えたポップアイコンのマイケル・ジャクソン(Michael Jackson)を2019-20年秋冬メンズコレクションの着想源としたが、マイケルの未成年に対する性的虐待疑惑を扱った米HBO制作のドキュメンタリー映画「リービング・ネバーランド(原題:LEAVING NEVERLAND)」が大きな波紋を呼んでいることを受けて声明文を発表した。

 ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)=メンズ アーティスティック・ディレクターは、「マイケルに関するドキュメンタリー映画を踏まえて、今回のコレクションが感情的な反応を引き起こしていることは認識している。私はいかなる形での児童虐待や暴力も容認しないし、あらゆる人権侵害を厳しく非難する。コレクションはポップアーティストとしてのマイケルに着目したもので、さまざまな世代のアーティストやデザイナーが影響を受けてきた、誰もが知る大スターであるマイケルの公的な部分にのみ着想を得ている」とコメントした。

 マイケル・バーク(Michael Burke)=ルイ・ヴィトン会長兼最高経営責任者は、「ドキュメンタリーで告発されている事柄に関して、深く懸念し憂慮している。当社は子どもの安全と福祉を最重視しており、今後も全社を挙げてそれを提唱していく」と語った。なお、同社はこのドキュメンタリー映画が第35回サンダンス映画祭2019(2019 SUNDANCE FILM FESTIVAL)で1月25日に初めて上映されたことから、コレクションを発表した1月17日の時点ではその存在や内容について知らなかったとしている。HBOでは3月3〜4日に放送されたが、イギリスやオランダ、カナダなどで一部のラジオ局がマイケルの楽曲を放送禁止にするなど、世界中で波紋が広がっている。

 声明文の中で、同社は「マイケル・ジャクソンを思わせる直接的な要素」があるアイテムの生産はせず、発売するのは複数のインスピレーションを得て作られた「ブランドとアーティスティック・ディレクターの本当の価値観」を反映したアイテムのみだと明言した。今回、「ルイ・ヴィトン」に直接的な非はないが、ソーシャルメディア時代であることを踏まえて素早く対応したと見られている。ほかのラグジュアリーブランドでは、人種差別的な製品を販売したとして「プラダ(PRADA)」と「グッチ(GUCCI)」が物議を醸し、謝罪の上で再発防止策を発表している。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

アパレル業界“裏方”の進化に迫る 「OEM・ODM特集」

アパレルは、彼らをなくして語れないー。そう言い切れるほど、企画・生産において重要な働きをするのがOEM(相手先ブランドの生産)とODM(相手先ブランドの企画・生産)の事業者たちです。繊維商社が巨大プレーヤーとして君臨しながら、中小の専門企業も独自の存在価値を発揮し、生き残っています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。