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スニーカーで地方を創生 アトモスの高知県日曜市に県内外から人、人、人

 スニーカーショップのアトモス(ATMOS)は9月2日、高知城下追手筋の日曜市に出店した。野菜や果物、金物などが売られる休日の生活市に、「ナイキ(NIKE)」や「アディダス(ADIDAS)」の限定スニーカーが並ぶのは極めて異例だ。

 アトモスは、4月に開幕した維新志士の歴史や史跡を巡る博覧会「志国高知 幕末維新博第二幕」の地域活性プロジェクトに参加しており、その一環で出店した。同プロジェクトには、ファッションやアミューズメントなどの多様なジャンルの企業・団体が参加しており、4月にはビンテージショップ「ベルベルジン(BERBERJIN)」の藤原裕らが高知県出身の偉人、ジョン万次郎から着想を得たデニムパンツを販売するなどしている。全国に高知の魅力を伝え、県外から多くの観光客を誘致するのが狙いだ。

 当日は、早朝から10時にスタートする購入抽選に参加するため、ドレスコードの“坂本龍馬Tシャツ”を着た男女約120人が列を成した。先頭は高知県在住の中学1年生の女子で、5時に並んだという。7番を当て、お目当てのスニーカーを購入し、「(当日着用していたアトモス限定の“エア マックス<AIR MAX 90>”を指し)これはネットで買った。スニーカーが大好きだけど、高知には買える場所がないので絶対参加しようと思っていた。また開いてほしい」とうれしそうに話した。この日、一番くじを引いたのは、30代の会社員男性。狙っていたという「リーバイス(LEVI’S)」とコラボした“エア ジョーダン4(AIR JORDAN 4)”を購入し、「朝、大阪から駆け付けた。並んだのは9時頃だったが、運よく一番を引けた。大阪でリーバイスコラボが発売した時にも並んだが、その時は全然ダメだったので、ゲットできてうれしい」と話した。

 抽選後にも、2足目を購入するために並びなおす客や新客も訪れ、持ってきた200足余りはほぼ完売。13時過ぎには、店を閉じた。

 高知県観光振興部観光政策課の吉野史一チーフは「こんなに行列ができるのはすごいこと。われわれは観光という情報発信をしているが、実際にそれがどこまで届くのかには限界がある。例えば面白い動画を作ってネット上で話題になっても、ただ『面白いね』で終わってしまう。自然や食が美味しいのはどこの地方も同じことで、どうやって高知に人を呼ぶのか、その先が重要で大変だった。並んでいるお客さまにアンケートを取ったが、県外から来たという人が多く、中でも『初めて高知に来た』という人が多い。人を一人呼ぶにも莫大なお金がかかるのに、これだけの人を動かせるのはすごいパワーだと思う。それが特に若い人に届いてよかった」と手応えをにじませた。

 アトモスの本明秀文・社長に「スニーカーで地方は創生できるか?」と聞くと、「一度だけでは無理だ。大きなプロジェクトの中で、今回のようにスニーカーを販売することは意味があると思う。続ければもっと多くの集客もできるはずだ。ただ、今回も県庁の協力がないとできなかった。何かあればまた協力したい」と答えた。