ファッション

夏フェス前に知っておきたい業界人注目のツーピースバンド ドミコとは

 2011年に、さかしたひかる(Vo,Gt)と長谷川啓太(Dr)のツーピースバンドとして結成。その独創性からドミコの音楽性はガレージ、ローファイ、サイケなど多面的に形容されることが多いが、その個性的なサウンドはどのカテゴリーにも分類し難い。7月20日には新曲「ベッドルーム・シェイク・サマー」をリリースするなど、いま勢いのあるバンドの一つだ。また、ライブにも定評があり、今夏も「ライジングサンロックフェスティバル(RISING SUN ROCK FESTIVAL 2018 in EZO)」など各地の夏フェスに登場予定。9月には初のツーマン・ツアーを開始する。今回は、ボーカルのさかしたひかるにロングインタビューを行い、独特な楽曲が生まれる背景や、“でかいTシャツ”を求めて古着屋を巡るというファッション嗜好についても迫った。

WWD:まず、その独特なバンド名の由来は?

さかしたひかる(以下、さかした):特にないんですよ。働いていたころに、急きょライブをやることになって、「バンド名がないと出演できないな」ということで響きから「ドミコ」とつけました。もともと、名前は短い方がいいなという思いはあって。深く考えずに「なんでもいいや」くらいの気持ちでしたね。

WWD:ドラムの長谷川啓太さんとの2ピース体制は珍しいが。

さかした:特に意識したことはないですが、2人でセッションをしてそのままライブに出て、とても自然な流れだったのでそのままという感じで。これまでメンバーを増やそうと思ったことは一度もなかったです。

WWD:どのように曲を作っている?

さかした:まず曲ができて、「あぁ、そこに歌詞をつけないといけないのか」となって、つけていく感じ。最初に英語っぽい歌詞を作り、後からそこに日本語を当てはめるという流れで作っています。歌詞には、客観的な視線の中に一部、自分の本音を混ぜたりしています。音楽からドミコの世界観が伝わればいいなと思っています。

WWD:歌詞には食べ物が多く登場しているように思うが。

さかした:確かに多いですね。歌詞に出てくるものに自分の身近なものは少なく、聴いた人がすぐにイメージしやすいようなもの考えた結果、食べ物が増えてきたと思う。でも歌詞にはあまり意味はないです。

WWD:7月20日に配信リリースする「ベッドルーム・シェイク・サマー」については?

さかした:スムーズに書けた曲ですね。メッセージ性は特になくて、なんとなく状況を歌ったものです。ドミコの曲では歌詞にあまり意味を持たせないようにしています。恥ずかしいから(笑)。それに、具体的なメッセージ性を持たせると逆に安っぽくなってしまうことがあると思う。ただ、言葉はきちんとはまるものを考えて使っています。聴いた人がそれぞれに解釈してくれたらいいと思っていますね。

WWD:曲作りのインスピレーション源は。

さかした:決まったものは特にないですね。どんな時に曲が思いつくか分からないので、常に音楽とは向き合っている状態です。制作期間も曲によってさまざまで、1フレーズが決まっていても、完成までに時間が空くことも多いですね。ストーリーや書きたいことがあっても気分が乗らなければ書けないので、作業には時間がかかることが多いです。性格的に長い時間集中して作業ができないので、毎日30分くらいを継続していけたら理想的だと思う。

WWD:影響を受けた音楽は。

さかした:ディアハンター(Deerhunter)はかなり聴いていました。どんな曲もまんべんなく聴いていましたが、奥田民生さんがすごく好きでユニコーンを含めて中学生のころからよく聴いていて、ロックだけでなくポップスを聴くきっかけになった人。一度だけお会いする機会があり、音源を渡しました。ものの10秒程度の出来事でしたね(笑)。

WWD:同世代で気になるミュージシャンはいる?

さかした:最近聴いているのは、クルアンビン(Khruangbin)というテキサスのバンドです。ライブも音楽もかっこいいですね。最近一緒にライブをしたトリプルファイヤーは唯一無二の感じで、ずっと聴いていられる音楽ですね。

WWD:音楽以外で興味のあることは何か。

さかした:難しいなぁ。時間があると音楽の機材を見てしまうので。ときどき、車で遠くに行ってみたいなと思うことはある。活字が苦手で本を読んだり雑誌を見たりすることはなくて、映画も子ども向けのものでないと最後まで集中して見る自信がないですね(笑)。他には、古着屋を見るのが好きで、でかいTシャツを集めています(笑)。横にでかいサイズのTシャツは着心地がいいんです。

WWD:古着屋はどのへんの店を見るのか。

さかした:全く決まっていなくて、むしろいつも新しいお店を見ようという感じ。ツアーの時は必ず地方の古着屋に寄るようにしていますね。最近買った中では、サラっとした生地のスラックスを気に入っています。

WWD:長谷川さんと一緒に買い物も?

さかした:長谷川は服に興味がないから一緒には行かないですね。前に、撮影でスタッフさんから白いTシャツを指定されたときがあって。長谷川は持っていなかったらしく、コンビニで買っていました(笑)。同じバンドをしているということ以外は、共通点はあまりないですね。長谷川はお酒も飲まないし、ツアー先でもホテルからほとんど出ないんです(笑)。

WWD:最終的に目指すところは。

さかした:音楽を作っていく過程では「売れたい」という発想はないけれど、漠然とお金はあればいいなとは思いますね。あと、音楽を作るときに、こうしたい、こうすべき、という目標のようなものは常にあります。将来的なことはあまり考えていなくて、2人で音楽を作って、ライブをして、という今のシンプルな構成がずっと続けられたらいいなと思っています。あとは国内外問わず、誰も知らない場所でライブをしてみたいという気持ちがあって。受け入れられるかどうかわからないけれど、ライブをいろいろな場所で試してみたいですね。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2024-25年秋冬のトレンド総まとめ 鍵は「退屈じゃない日常着」

4月15日発売の「WWDJAPAN」は、毎シーズン恒例のトレンドブックです。パリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨーク、そして東京の5都市で発表された100以上のブランドから、アイテムや素材、色、パターン、ディテール、バッグ&シューズのトレンドを分析しました。豊富なルック写真と共にお届けします。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。