ファッション

新たな時代の感性を表現する3人組バンドD.A.N.の創造性に迫る

 2014年8月に櫻木大悟(Gt,Vo,Syn)、市川仁也(Ba)、川上輝(Dr)の3人によって結成され注目のバンド、D.A.N.(ダン)。昨年7月にデビューEP「EP」を発売し、高い評価を得ていた彼らだが、今年4月にバンド名を冠したファーストアルバム「D.A.N.」は発売直後から音楽関係者だけなく、多くのクリエイターから絶賛され、一躍注目される存在となった。3人とも同い年の22歳とまだ若いが、ミニマルメロウな楽曲やクリエイティブに対する姿勢からは、新たな時代の感性を感じる。今回、彼らの創造性がどこから生まれてくるのか、ロングインタビューを通してその秘密に迫った。

アートワークの細部までこだわって作る

WWD JAPAN(以下、WWD): まずは「D.A.N.(ダン)」というバンド名の由来は?

櫻木大悟(以下、櫻木):それ、取材の度に聞かれるんですが、残念ながら意味はなくて(笑)。言葉の響きとリズム、覚えやすさだけで決めました。「D.A.N.」の間の「.(ドット)」も字面のよさだけで入れています。

市川仁也(以下、市川):「A.P.C.(アーペーセー)」的な感じだよね。別に何かの頭文字とかではなく、ロゴっぽく考えました。

川上輝(以下、川上):「ドット」がなくて「DAN」だと、見た目の印象が窮屈で味気なくて、それで「ドット」入れようって話になって入れたんだよね。

市川:最後の「ドット」が抜けて記載されることもあって、それだとバランスが悪いんで、絶対入れてほしいです。

櫻木:3人とも、「好き」「嫌い」とか、「カッコいい」「ダサい」と思う価値観が似ていて、共有できるので、そういった話はよくします。

川上:そうしたことをしっかりと話し合えるから、この3人でやっているんだと思います。

WWD:4月にファーストアルバムを発売して、多くの反響があったのでは?

櫻木:僕ら自身は変わらないんですけど、周りからの反響は大きく、SNSとかでも「聴いています」っていうコメントも増えました。多くの人に聴いてもらえていると実感でき、本当に嬉しいです。

市川:同じ曲でも人によって解釈が違っていて、それはそれでおもしろいなって感じます。

WWD:クリエイターやファッション関係者にも人気だが?

川上:僕らがいいと思うものが、そういった人たちに評価されるのはうれしいです。

WWD:CDのアートワークもすごくセンスがいいと思うが、それはどう考えた?

川上:アートディレクターは、僕たち3人が尊敬しているZAN(ザン)というクリエイティブ・ユニットにお願いしました。普段は古着を再構築して新しい服を作ったり、写真を撮ったりしている人たちで、昔から知っていて、任せても絶対いいものができるという信頼もありました。それでアイデアを出してもらいながら、みんなで話し合って詰めていきました。

櫻木:2人ともセンスよくて、考え方も尊敬できます。

市川:撮った写真も最高なんです。

櫻木:今回、CDのジャケット写真だけでなく、歌詞カードの裏面の写真も撮影してもらい、それで「この曲にはこの写真が合うね」とかみんなで話し合いながら、使う写真を決めていきました。なので、歌詞カードの裏面の写真にも注目して、曲を楽しんでもらいたいです。

市川:僕らのアー写も作業の合間にポラロイドで撮影してくれて、それも自然体な雰囲気が表れていて気に入ってます。

WWD:アートワークに対する強いこだわりを感じるが?

櫻木:アートワークはかっこいい方がいいと思うし、ものとしてほしくなるものを目指して作っています。今回のCDジャケットはすごくD.A.N.っぽくて、これを見たら、バンドのイメージが伝わる。タイトルの文字が小さいのも、シンプルで好きです。

川上:自分たちの作品なので、細かいところまでこだわって、自信を持って出したい。このCDは自分たちで見ても最高だなって思いますね。

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