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ヴァージルが信頼する注目の写真家クリスティーナ・パックに迫る

 フォトグラファーのクリスティーナ・パック(Christina Paik)がラフォーレ原宿のグレイト(GR8)で、自身3回目となるフォトエキシビション「"MAYBE THIS" Christina Paik CP World Tour 3」を開催した。パリとニューヨークを拠点とするパックはデザインの勉強後、フィルムフォトグラファーとして活動をスタート。自然光を生かしたリアルな写真が特徴で、これまでに「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「サカイ(SACAI)」「アクネ ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」「ステューシー(STUSSY)」「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」「ナイキ(NIKE)」などのプロジェクトを手掛けてきた。中でも親交の深いヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)の「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH以下、オフ-ホワイト)」とは、キャンペーンやランウエイ、バックステージ撮影など、定期的にコラボレーションしており、現在のファッションシーンで最も注目されるフォトグラファーの一人だ。ストリートとハイエンドを柔軟にミックスするパックに写真のことやヴァージルとの仕事について、今後の目標などを聞いた。

WWD:原宿のド真ん中で、フォトエキシビジョンを行う感想は?

クリスティーナ・パック(以下、パック):グレイトは日本でもとても人気があるし、海外の著名ブランドもたくさん取り扱っているから自分のテイストや作品とのバランスが心配だったんだけど、久保(光博)社長はもちろん、グレイトチームのみんながしっかり私の見せたいものを見せたいように実現してくれた。すごく感謝しているし、“GR8 is GREAT”ね。

WWD:写真を撮るときのポリシーは?

パック:直感で撮ることかな。衝動的に撮った写真はその時しか撮れない写真だから。こういう風に撮りたいとか計算しすぎるのはあまり好きじゃない。学生だった時は構図について、写真をこうクロップ(切り取る)した方がいいよとか言われることもあったけど、クロップしちゃうと私が撮った写真じゃなくなる。もし誰かの脚がフレームインしていたとしても、それがその時、私が撮った写真なの。

WWD:「ルイ・ヴィトン」や「サカイ」「ナイキ」など、ビッグクライアントと仕事をしてきて、一番思い出に残っていることは?

パック:どれも印象に残っているから一つに選べないけど、どのクライアントも本当に自由に撮らせてくれた。家族みたいな関係だから私のこともサポートしてくれるし、何かあったら私もサポートする。そういう関係性だから緊張することなく、撮影できたわ。

WWD:ヴァージルとはずっと仕事をしているけど、クリスティーナにとってヴァージルはどんな存在?

パック:ヴァージルとはお互いに信頼しているし、すごくいい関係。「オフ-ホワイト」を立ち上げるときから相談してくれてたの。だからプロジェクトには最初から関わってるわ。ヴァージルの撮影はとても自由で、普通は例えばブランドの撮影だったら全身そのブランドで固めなきゃいけないとか、コレクションのルックをそのまま着せなきゃいけないとか色々ルールがあったりするけど、ヴァージルはメンズとウィメンズをごちゃ混ぜにしても何も言ってこないし、ブランドをミックスしてもOK。私の提案するスタイルをすごく気に入ってくれる。これまで「オフ-ホワイト」の写真は、私かヴァージルのインスタでアップするだけだったけど、そろそろ写真集を出したいと思ってるの。シーズンを重ねるごとに「オフ-ホワイト」も成長しているし、こんなにも世界的なブランドになって、チームもものすごく大きくなった。本当はもっと早く出したかったけど、これまでのストーリー性を見せるには今がいいタイミングだと思う。

WWD:「ルイ・ヴィトン」のバックステージもクリスティーナが撮る?

パック:もしかしたら。でもまだわからないわ。

WWD:今後フォトグラファーとしてどんなキャリアを積んでいきたい?

パック:いつまでにこうなりたいとか具体的な目標はないの。でもそれがある意味いいことだと思ってる。私は現状で満足しないタイプで、常に上を目指したいタイプ。明確な目標がない分、写真と真剣に向き合って、常に今の自分を磨き上げることに専念しているわ。