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新生「サルヴァトーレ フェラガモ」を導くポール・アンドリューのデビューウエアに迫る

 ポール・アンドリュー(Paul Andrew)=クリエイティブ・ディレクターによる初の「サルヴァトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)」のプレタポルテが2018-19年秋冬コレクションで発表された。もともとシューズデザイナーである彼にとっては、初めてのウエアになる。コレクションは、同ブランドのメンズウエアを手掛けるギョーム・メイアン(Guillaume Meilland)=デザイン・ディレクターと合同で披露した。シューズのディレクションをする際にポールは「フェラガモ」のアーカイブに学んだというが、今回も創業デザイナー、サルヴァトーレ・フェラガモのスピリットから色使いや靴とウエアのバランスのヒントを得た。ポールが追求する新たな「フェラガモ」のクリエイティブ観を聞いた。

WWD:今回のコレクションは、メンズと合わせた色使いがとても印象的だった。

ポール・アンドリュー「サルヴァトーレ フェラガモ」クリエイティブ・ディレクター(以下、ポール):私はサルヴァトーレがたくさんのクライアントのためにデザインしたアーカイブを見ることから始めた。そこで見つけたカラーラインアップが今回の出発点になった。30以上もある幅広いグラデーションのパレットを用意し、少し変わった方法であらゆる色を取り入れた。サルヴァトーレが、(1940年代に活躍した)女優のジュディ・ガーランド(Judy Garland)のためにデザインしたレインボーカラーの靴に代表されるように、色使いは「フェラガモ」にとってのDNA。

WWD:ロング&リーンの長くゆるやかなシルエットも特徴だが、初のウエアを手掛けるにあたり、目指したことは?

ポール:まず新しいドレスコードを確立しようとした。見慣れたフォームはルーズに丈を長く出し、着心地と高い機能性も持たせた。女性には、見た目の美しさと快適さの両方を同時にかなえることで、着心地のいいファッションを提案したいと思っている。サルヴァトーレ自身、心地よさや快適さということに強いこだわりを持っていたが、女性にとって完璧な靴を作るために足の解剖学まで勉強していたほどだ。

WWD:あなた自身も靴をデザインする視点から、どのような服作りに重点を置いたか。

ポール:今回のコレクションは靴が、コートやスカート、パンツのバランスを決定づけている。例えば、パンツは足首くらいまでに丈をカットして、足元が一番目立つように仕上げている。私がイメージする“フェラガモウーマン”の着こなしは、“Toe to Head(足先から頭まで)”。靴が一番のポイントになる。

WWD:色使い以外でブランドのDNAを継承する靴はあるか。

ポール:今回のコレクションでは、サルヴァトーレが創業当初に作ったようにヒールをメタリックレザーで覆うのではなく、メタリックの艶を自動車の塗装工場で仕上げたブロックヒールをデザインした。ハイテク&ハイクラフト、テクノロジー&クラフツマンシップは私が靴を作る上で重要な考え方になっている。

WWD:ウエアにおいてはブランドアーカイブから得た部分はあるか。

ポール:1990年代のアーカイブからシルクの2つのスカーフを発見した。それらを半分にカットし、1枚に張り合わせ、非モダンなパターンに仕上げることができた。

WWD:取り外しできるフーディーがとてもユニークだが、採用した背景は?

ポール:イギリスのアウトドアスタイルや、貴族のワードローブからアイデアを得た要素を参照している。伝統的なシルエットに合わせることで、遊び心があり、サプライズな要素にもなる。また取り外しできるようにしたことで、コートやケープとのトーン・オン・トーンでも、あるいは反対色でも合わせられるなど、アクセサリーで遊ぶことが得意な“フェラガモウーマン”のワードローブに加えるべきアイテムだと思っている。

WWD:イギリス出身だが、自国のカルチャーなどは自身のデザインに影響を与えている?

ポール:イギリスのファッションを考えるとき、アバンギャルドなイメージに結び付ける人も多いが、今回のコレクションは貴族や上流階級に着想を得ている。例えば、テレビドラマシリーズの「ザ・クラウン」のプリンセス・マーガレットのイギリスの片田舎を思い起こす、フォーマルとインフォーマルをミックスしたスタイルなど。