ファッション

グッチ元従業員セクハラ訴訟 グッチは争う姿勢

 「グッチ(GUCCI)」シカゴ店のセールスアソシエイトだったシャネル・ファラスコ(Chanel Falasco)が、アシスタントストアマネジャー(以下、マネジャー)からセクシャルハラスメントを受けたと訴えても会社が取り合わなかったとして、1000万ドル(約11億3000万円)の損害賠償を求めて提訴した件について、グッチは争う姿勢を表明した。

 ファラスコは、マネジャーから日常的に性的な形容詞で呼ばれ、売り場や他のマネジャーの前でも同様に呼ばれていたと主張。最低2回は店舗の監督者に訴え出たが、「追い払え」「無視しろ」「一緒に仕事をするのを避けろ」と言われたという。また、ファラスコは訴え出た後もマネジャーのみが入室可能な部屋でマネジャーが露出するのを見せつけられ、誘いに乗れば来季の査定を上げてやると言われたため、グッチのオペレーションコーディネーターに人事担当者の連絡先を問い合わせたところ、教えてもらえなかったと主張した。

 さらに、ファラスコはマネジャーによる露出事件の後にマネジャーが異動になったと主張。グッチはマネジャーがストアマネジャーに昇進し、多店舗へ異動したことは認めたが、本件とは関係ないと主張した。

 ファラスコはセクハラを行ったとされるマネジャーは訴えておらず、適切な対応をしなかったという主張の下、グッチだけを提訴している。

 グッチは本事案について、十分な情報を把握していなかったと反論。また全従業員に対し、ハラスメント防止講座の受講を課していたと主張し、対抗する構えだ。加えてファラスコが、店舗で働いた経験は自身のプラスになり、同僚ともよい関係を築き、在職中に苦情を申し出ることもなく、2016年2月に退職した際に実施した人事面談でも何も言わなかったと主張した。

 グッチはファラスコが16年3月に雇用機会均等委員会(Equal Opportunity and Employment Commission以下、EOEC)に性差別を訴え、EOECの捜査が入ったことは認識していたが、EOECの対応が不十分だったと非難した。一方で、EOECがファラスコが不当に扱われたと認めるに足りる確固たる証拠は発見できなかったとし、ファラスコの訴えには正当性がないと主張している。

 グッチとファラスコ双方の代理人からはコメントを得られなかった。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

原宿・新時代 ファッション&カルチャーをつなぐ人たち【WWDJAPAN BEAUTY付録:中価格帯コスメ攻略法】

「WWDJAPAN」4月22日号の特集は「原宿・新時代」です。ファッションの街・原宿が転換期を迎えています。訪日客が急回復し、裏通りまで人であふれるようになりました。新しい店舗も次々にオープンし、4月17日には神宮前交差点に大型商業施設「ハラカド」が開業しました。目まぐるしく更新され、世界への発信力を高める原宿。この街の担い手たちは、時代の変化をどう読み取り、何をしようとしているのか。この特集では…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。