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イヴ・サンローランの生涯のパートナー、ピエール・ベルジェが死去 86歳

 イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)の生涯のパートナーとして彼を支えた実業家、ピエール・ベルジェ(Pierre Berge)が9月8日朝5時39分(現地時間)、長い闘病の末、フランスのサン・レミ・ド・プロヴァンスの自宅で亡くなった。86歳だった。

 ベルジェはサンローランとの絆について「私たち2人は、ぴったりとはまるように作られたパズルのピースのようだった。お金、ビジネス、ライセンス、店舗の開店、全て私なしには実現し得なかった仕事だ。しかし、世界で一番大きく、美しい飛行機は、ガソリンとそれを操縦できるパイロットなしには動かない。そしてその飛行機を操縦できる唯一の人物、それはイヴ・サンローランだ」と2010年に米「WWD」に語っていた。

 ベルジェは1930年、フランス大西洋に位置する小さな島、オレロン島で生まれる。画家、作家になる夢を追いかけ48年にパリに移り、ジャン・コクトー(Jean Cocteau)、ジャン・ジオノ(Jean Giono)などの作家と交流を持つ。50年に画家のベルナール・ビュフェ(Bernard Buffet)と出会い、その後8年間パートナーとして彼のキャリアをサポートした。

 58年にベルジェはサンローランと出会う。サンローランは「ベルジェにすぐに親しみを覚えた。出会った時から彼は私を理解してくれる人、そしてパートナーだった。彼は私が持っていなかった“強さ”を持っていた」と語っている。サンローランが仏陸軍に徴兵され、神経衰弱で陸軍病院に収容されていたとき、ベルジェはサンローランの母と毎日見舞った。61年に2人は「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」を設立した。

 73年にベルジェはフランスオートクチュール・プレタポルテ連合会(通称サンディカ)の会長に任命された。77年にパリの劇場、テアトル・ドゥ・ラテネ・ルイ・ジューヴェを購入。80年に、2人して「恋に落ちた」というモロッコ・マラケシュのマジョレル庭園を購入・保護。2001年にジャルダン・マジョレル財団を設立し、11年にはモロッコと、その地のアマジグ文化に捧げるベルベル美術館を開館。現在では年間80万人が訪れる観光スポットとなっている。

 86年に服飾学校、IFM(Institut Francais de la Mode)を設立。88年にパリ・オペラ座の会長に任命される。2001年にピエール・ベルジェ=イヴ・サンローラン財団を設立した。15年にフランス政府からレジオンドヌール勲章オフィシエを、16年にはモロッコ政府から栄誉勲章を授与された。

 ベルジェは、17年10月3日にパリに、10月19日にモロッコ・マラケシュに、故サンローランと、彼のクリエーションに捧ぐイヴ・サンローラン美術館を開館する。その目前での訃報だった。