フォーカス

バイクレースで気づいた「周りを見る」という価値

 皆さんがゴールデンウィークのお休みを楽しんでいた時、もしくは、そんなホリデーのショッピングを提供すべく仕事をされていた時、僕はニューヨークに飛んでおりました。「マンハッタンポーテージ(MANHATTAN PORTAGE)」が協賛するバイクレース「ファイブ ボロー バイク ツアー」に参加するためです。「ファイブ ボロー」とは、日本語に直せば「5つのエリア」の意味。皆さん、「5つのエリア」って、わかりますか?マンハッタンとブロンクス、クイーンズ、ブルックリン、そしてスタテン島の5つです。最後のスタテン島が分かったアナタ、なかなかのニューヨーク通とみました(笑)。

 このバイクツアーはその名の通り、自転車に乗って全長約64キロのコースを走り、ニューヨークを余すところなく楽しんじゃおうというファン・ライドです。楽しむためのバイクレースですから、タイムを競うものではありません。とはいえ、ある人はガチでNYを爆走し、またある人は友人や家族、子供との会話や時間を楽しみながら、64キロをゆっくり走る。そんなイベントです。僕は、ガチの爆走と会話をしながらの中間、“先頭集団の最後尾”に食らいつくイメージで64キロを走りました。途中2回くらい休憩を挟みましたが、走破に要した時間は2時間半くらい。時には立ち漕ぎもしちゃうけれど、周りを見る余裕はあったし、ゴールした時も「もう1回、64キロ走れるかも」と思ったくらいのペースです。

 そんなペースのバイクレースで気づいたのは、NYのパノラマのダイナミズムでした。レースは、マンハッタンのトライベッカからスタート。ビル群の間を駆け抜けながら、セントラルパークに向かいます。公園にたどり着けば、日曜朝ゆえ市民ランナーがたくさんいて、彼らを脇から追い抜いていくと、今度はハーレム、そしてブロンクスに迫ります。その後は橋を渡って川を越え、NYが“人種のるつぼ”と呼ばれるゆえんのクイーンズへ。おしゃれエリアが続々誕生するブルックリン、川越しに摩天楼を望む高速道路、そして、緑あふれるスタテン島……。眼前の風景は、駆け抜けたエリアの数だけ変わり、2時間は本当にあっという間でした。NYには4年弱住んでいましたが、バイクツアーは、地下鉄に乗っている限り決して発見できない、新たな魅力を教えてくれました。