ファッション

「ヨシキモノ」2016年春夏東京ファッション・ウイーク

REPORT

革新の音楽家YOSHIKIが提案する革新の和装
X JAPANのYOSHIKIによる着物ブランド「ヨシキモノ(YOSHIKIMONO)」が、メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク東京の大トリとして、ランウエイショーを開催した。YOSHIKIは、実は呉服屋の子ども。海外で活動するようになって、日本の伝統文化に強く惹かれるようになり、伝統を大切にしながら、そこからかけ離れた表現をすべく、ブランドを立ち上げたという。

X JAPANの代表曲「フォーエバー ラブ」が流れる会場中央には、透明のピアノ。花魁のように着物を着崩した女性、反対に正統派の和装姿の淑女、YOSHIKIのファンであろう黒ずくめの男女、それに多数の外国人が見守る中、和太鼓が打ち鳴らされ、ショーは始まった。

YOSHIKIはまるでローブのような羽織り姿。ただその羽織りは打ち掛けのように長く、しかもレザーのバングルなどと組み合わせている。足元は、バックルが幾重にも連なったレザーブーツ。このフリーダムな和装姿が、「ヨシキモノ」のようだ。

和装の自由な解釈は、多岐に及んでいる。例えば柄は、花鳥風月のみならず、ヒョウ柄が頻繁に現れ、時には弾痕まで帯に。その帯には、砂糖菓子のような金や銀のベールを飾ったり、ブラッディーレッドのクロコの型押しレザーを使ったり。着丈も床に引きずるロングから、セクシーな網タイツが覗くミニまでバリエーション豊かだ。また、和装に合わせるアクセサリーも、シルバーのスカルペンダントからフェティッシュなエナメルのサイハイブーツまで。確かに「伝統とはかけ離れた」表現だ。

コレクションについては、賛否両論あるだろう。伝統を重んじる人は、時に夜の匂いを感じる和装に眉をひそめるかもしれない。しかし彼は、ビジュアルを含めた音楽表現で一時代を築いた人物。彼による新たな着物は、柔軟に考えるべきかもしれない。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

Timeless, Yet New 変わらない吉田、世界を変える【WWDBEAUTY付録:今こそ立ち上がれ、日本化粧品】

「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。