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エスティ ローダー、26年7〜9月期は香水好調で売上高6.7%増 通期業績予想を上方修正

エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES、以下ELC)は11月2日、2026年7〜9月期(第1四半期)決算を発表した。売上高は前年同期比6.7%増の37億ドル(約5772億円)となり、市場予想の36億4000万ドル(約5678億円)を上回った。フレグランス事業が同19.4%増と好調だったほか、スキンケア事業も成長した。業績回復が進んでいることを受け、27年6月期通期の業績予想を上方修正した。売上高成長率は、従来予想の3〜5%増から5〜6.5%増に引き上げた。

同社は「M・A・C」「トム フォード ビューティ(TOM FORD BEAUTY)」「クリニーク(CLINIQUE)」「オーディナリー(THE ORDINARY)」などを展開する。創業80年を迎えた同社は、コロナ禍後の中国市場の減速などを背景に業績が低迷していたが、現在は経営再建戦略「ビューティ・リイマジンド」を推進している。ステファン・ド・ラ・ファヴリー(Stephane de La Faverie)社長兼最高経営責任者(CEO)は報道関係者との電話会見で、「『ビューティ・リイマジンド』を通じて成果が表れていることで、当社の将来に対する確信が一段と強まっている」と述べた。「われわれは成長を回復させる段階を超え、持続的かつ収益性の高い成長に向けて、より強固な基盤を構築している」と強調した。ただし、好決算は株価の押し上げにはつながらず、11月2日の終値は前営業日比4.08%安の104.77ドル(約1万6346円)となった。

フレグランスが19%増 
若年層の需要拡大に期待

事業別では、スキンケアの売上高が同4.8%増となった。主に「ラ・メール(LA MER)」と「オーディナリー」の成長が寄与した。メイクアップは同1.7%増だった。「M・A・C」の好調が売り上げを押し上げた一方、「エスティ ローダー」の減収が一部相殺した。最も高い成長率を記録したのはフレグランスで、同19.4%増となった。「ル ラボ(LE LABO)」「トム フォード ビューティ」「ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)」「キリアン パリ(KILIAN PARIS)」「エスティ ローダー」がいずれも2ケタ増収を達成した。ヘアケアは同0.7%減だった。「オーディナリー」が成長した一方、「アヴェダ(AVEDA)」の減収が響いた。

ド・ラ・ファヴリーCEOは、フレグランス事業の好調が今後も続くとみている。その理由として、商品イノベーションと若年層の需要拡大という2つの要因を挙げた。「積極的な商品開発を継続し、ラグジュアリーフレグランスについては適切な市場で販路を拡大していく。同時に、これまで十分な市場シェアを獲得できていなかったプレステージカテゴリーでもシェア拡大を図る」と説明した。さらに、「もう一つの動きは、若い消費者がこのカテゴリーに関心を寄せていることだ。TikTok Shopなどのプラットフォームではフレグランス関連の活動が一段と活発になっており、当社もその動きに参画している」と語った。

一方、メイクアップ事業については、依然として改善の余地があると認めた。また、ヘアケア事業の低迷については、「アヴェダ」を巡るサプライチェーンの問題が影響していると説明し、26年10〜12月期末までに解消する見通しを示した。メイクアップ事業については、「当社には『M・A・C』『トム フォード ビューティ』『エスティ ローダー』『クリニーク』がある。また、『トゥー フェイスド(TOO FACED)』の再建計画についても公表しており、現在その実行を進めている」と述べた。「まだ目指す水準には達していない。しかし、事業再建が進み、今四半期にはプラス成長を記録したことを心強く感じている。今後の四半期、さらには数年間にわたって成長を加速させていきたい」と続けた。

ELCは今年、売却を含む「トゥー フェイスド」などのブランドの戦略的選択肢を検討した結果、同ブランドの運営拠点をカリフォルニア州からニューヨークに移転すると発表した。今後はZ世代を主要ターゲットとしてブランドの再構築を進める方針だ。

中国本土は15%増 
アジアのトラベルリテールも寄与

地域別の売上高は、米州が同4.5%増、欧州・中東などが同2.4%増、アジア太平洋が同9.0%増、中国本土が同15.4%増だった。中国本土のオーガニック売上高は同9%増で、報告ベースとの差には為替換算の影響が含まれる。アジア太平洋地域の成長には、主にアジアのトラベルリテール事業が寄与した。ド・ラ・ファヴリーCEOは中国市場について、「中国市場は健全な状態にある」と評価し、「今四半期の市場成長率は1ケタ台前半だったが、前年同期の水準が非常に高かったことが影響している。全体として、中国市場は1ケタ台半ばの成長を示している」と説明した。さらに、「中国はもはや新興市場ではない。美容分野で大きな規模を持つ成熟市場だ。その市場で業界全体が1ケタ台半ばの成長を遂げていることは、非常に力強い動きだ。そうした中で、当社は市場シェアを拡大している」と強調した。米国市場については、販売金額ベースの市場シェアは依然として目標水準に達していないものの、販売数量ベースのシェア拡大には手応えを感じていると述べた。

インドの「フォレスト エッセンシャルズ」を完全子会社化

ELCはまた、インドのアーユルヴェーダ美容ブランド「フォレスト エッセンシャルズ(FOREST ESSENTIALS)」の残余持ち分の取得を10月5日に完了したと発表した。同社は3月、同ブランドの残り51%の株式を取得する契約を締結していた。ELCと「フォレスト エッセンシャルズ」の関係は長く、08年に初めて少数株式を取得。20年には出資比率を49%まで引き上げ、今回の取引によって完全子会社化した。

アキル・シュリヴァスタヴァ(Akhil Shrivastava)=エグゼクティブ・バイスプレジデント兼最高財務責任者(CFO)は、今回の買収について「長年にわたるパートナーシップをさらに発展させるものであり、急成長するインドのプレステージビューティ市場における当社の存在感を強化する。さらに、同ブランドの顧客層を世界的に拡大する機会にもなる」と説明した。一方で、「同ブランドの業績が27年6月期通期の連結業績に重要な影響を与えることは想定していない」と述べた。

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