ファッション

上海発「UOOYAA」がギンザシックスに期間限定店 イン会長「来春メドに都内に路面店」


“中国発のクリエイティブファッションブランド”と銘打つ「ウーヤー(UOOYAA)」が7月1日、ポップアップストアをギンザシックス(GINZA SIX)の4階にオープンした。期間限定店舗の出店は、昨年10月のラフォーレ原宿1階、今年3月の阪急うめだ本店3階に続く国内3店舗目となる。国内主要都市のトップ商業施設や百貨店でのポップアップ展開と、グローバルECでの販売を軸に据えつつ、来年(2027年)春をメドに日本国内初となる路面店のオープンを目指す意向だ。現在は表参道・青山・原宿・代官山エリアを中心に候補物件の選定を進めている。

今回のギンザシックス店は売り場面積約50平方メートルで、8月4日までの35日間の会期中、売上高800万円超を計画している。オープン初日の売上高は60万円弱と好調な滑り出しを見せており、1000万円を突破する可能性も出ている。

UOOYAAは2014年に中国・上海で誕生したブランドで、尹相文(イン・ソウブン)会長兼CEO兼クリエイティブ統括が創業した。現在は中国国内に約100店舗を展開しており、2025年度の売上高は日本円で約100億円(うちEC売上高が20億円)規模に達する。昨年からはグローバルECも本格始動させた。

日本市場でも30~40代女性やインバウンドに手応え

日本初進出となったラフォーレ原宿のポップアップストアは、当初4ヵ月間の予定だったが、世界観の打ち出しなどが好評で、2度の期間延長を経て今年10月末までの営業が決定している。また、3月に関西初進出となった阪急うめだ本店でのポップアップでは、3週間で600万円弱を売り上げた。

ブランドのコンセプトは“遊び心とアートを纏う日常”。青春をテーマにしたポップでキュートなデザインと、ストリート感覚、そして、手仕事を施したクラフト感の融合が大きな特徴だ。独自のキャラクターや物語性を取り入れたコレクションを展開しており、セーラー服をモチーフにしたシリーズや、クマシリーズ、とくに泣き顔編や、昆虫、シャツに立体トロンプルイユを施したシリーズなどが人気だ。その圧倒的なインパクトと「映え力」から、タレントの「あの」がテレビ番組で、千葉雄喜が「アニョハセヨ」のMVで着用したほか、「なにわ男子」の大西流星やきゃりーぱみゅぱみゅ、元・坂系のアイドル・タレントなど、著名人やアーティストがメディアやSNSで着用し、日本国内での注目度も急速に高まりつつある。

出店地域による客層の広がりについて、イン会長は「中国での顧客層は30~40代の女性が中心で、幅広い年代にまんべんなく顧客がいる“オリーブ型”の構成となっている。一方、日本では若者の街であるラフォーレ原宿店では若い層が多い“ピラミッド型”、の構成で、オープン初期はインバウンド(訪日外国人)比率が8割、現在でも約7割を占めている。今回のギンザシックス店では、初日からインバウンド比率が非常に高く、客層も中国と同様に30~40代の大人の女性が中心だ。原宿では価格を見て迷われる方もいるが、銀座のお客様は今のところ価格よりもデザインやテイストを重視し、服の素材やディテールの価値を理解してその場で即決購入される方がほとんどだ。遊び心とクオリティを理解してもらえる客層にアプローチできる素晴らしい場所に店舗を構えられてとても嬉しい」と語る。また、UOOYAA本国には7つの部門があり、イン会長は「各部門に合わせて自身のAIエージェントを育成中だ。日本での滞在を増やすなど、日本事業にももっと傾注できる体制を整えたい」と思いを語った。

日本でのローカル支援やプロデュースを行う益運豊(NST)の劉瑶(Coco Liu)代表は、日本市場向けのMD(商品計画)の調整について、「本国では売り場面積150~200坪(495~660㎡)と大きな店舗が多く、商品も非常に幅広いコレクションを展開している。日本で展開する商品はすべてイン会長が1点1点自ら厳選している。日本展開において早く見えてきたのがサイズ感だ。中国のMサイズが日本のLサイズに相当するため、日本ではS・Mを中心としたサイズ展開にしている。他にも1年間の運営で得たデータをもとに細かくフィードバックを行い、アジャストさせていきたい」と語る。

中国生産でもコスト増傾向。対策は「デザインの工夫で手作業を削減」と「二極化戦略」

一方で、世界的な原材料費や人件費の高騰は、同ブランドの代名詞である「凝ったハンドクラフト(手仕事)」のモノづくりにも影響を与え始めている。現在の景況感も踏まえ、イン会長は今後の商品・プライス戦略について確固たる方針を示す。

「長年培ってきたサプライチェーンのパートナーがいるので心強いが、今後2年間ぐらいでコストのプレッシャーが高まることが予想される。今後は2つのアプローチで価格と品質の維持を図る。1つは、ユニークさを失わない範囲で企画デザインを工夫し、手仕事の割合をコントロールすること。もう1つは、若い層も手に取りやすい『エントリープライス(春夏で2万円未満~、秋冬で2万円~)』の商品と、徹底的にクラフトマンシップを作り込む『ハイエンド(秋冬で最高30万円台)』の商品など、2つの明確な山を作る戦略です。あえて二極化させることで、ブランド独自の遊び心を薄めることなく、コストを分散し、より幅広いお客様に寄り添うモノづくりを継続していきたい」。

無形文化財の久留米絣と協業、天然藍染で繊細な昆虫柄に挑戦

今回のギンザシックス店のオープンを記念し、日本の重要無形文化財にも指定される「久留米絣」の坂田織物との限定コラボレーションしたミニバッグやヘアアクセサリーを発売した。「手括り」「天然藍染」「投げ杼」による手織りとこの条件を満たし、さらに検査会に通った久留米絣が重要無形文化財とされるもの。一方でこの技術を守りながら効率化を図り動力や機械織りを利用したある程度の生産性を追求した工芸品もあり、「この両軸が存在することが、この久留米絣の産地がまだ比較的活発でいられる最大の理由だ」と坂田織物の3代目の坂田和生社長。「着物離れが進む中、久留米絣の無限の魅力を銀座から広く発信するため、今回のコラボレーションを受けた。UOOYAAのモチーフである昆虫柄を、レース調のフェミニンな印象を残しつつ伝統の『手括り』技術で表現するのは大きな挑戦だった。久留米絣はハイミセスの印象が強かったが、様々なアーティストやハイブランドと新たな企画や柄に挑戦することで次世代にも認知いただくとともに、久留米絣の色や柄の無限の魅力を発信しているところだ」と協業の意図を述べた。コラボを手がけた劉代表も「伝統と現代の感性が響き合う新たな魅力を、ぜひ多くの方に楽しんでほしい」と語る。

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