ファッション
特集 暑い秋こそ、秋冬気分が高まる服を 第13回 / 全14回

スタイリスト福島あいかが作る2026-27年秋冬4つの推しルック

「WWDJAPAN」6月22日発売号のウィメンズリアルトレンド号の表紙は、モードとリアルのバランス感覚に優れたスタイリスト福島あいかが手掛けた。ランウエイトレンドがリアル市場にダイレクトに反映される時代ではないものの、時代の気分を鋭く表現する力、そして一歩先の提案を考えるための参照点としての価値は今も大きい。国内アパレル各社に注目しているコレクションブランドを聞くと、一番多く挙がったのは「シャネル」。次いで、「ディオール」「プラダ」「クロエ」「ミュウミュウ」「セリーヌ」「ラルフ ローレン」など。ランウエイのムードをリアルな現場ではどう落とし込むのか。国内アパレル各社の動向と福島がキャッチしたランウエイトレンドを織り交ぜながら、2026-27年秋冬を象徴する4つのルックをスタイリングしてもらった。(この記事は「WWDJAPAN」2026年6月22日号からの抜粋です)

PROFILE: 福島あいか/スタイリスト

福島あいか/スタイリスト
PROFILE: (ふくしま・あいか)白幡啓に師事後、2021年独立。LOVABLE所属。「otonaMUSE」「GLOW」「sweet」はじめ、ファッションからビューティーまで多岐にわたるメディアで活躍。「スナイデル」「フレイ アイディー」「エミ」「リリー ブラウン」などから継続的に指名を受けるほか、「エルメス」のイベントビジュアルなども手がける

【LOOK1】王道セットアップは「肌見せ」と「差し色」で外す

WWD:リアルマーケットではこの秋冬、ジャケットやセットアップの提案が多かった。より新鮮に着こなすためのポイントは?

福島あいか(以下、福島):今季のポイントは、いかに抜け感を作るかです。例えば、すごくハンサムなセットアップでも足元はサンダルと合わせるなどキメすぎない方が今っぽい。「シャネル」はシャツを大胆に開けて着ていたり、「サンローラン」は素肌の上にジャケットを羽織ったりしていて抜け感の作り方が上手。今回の撮影でもシャツのボタンの開け具合にこだわりました。

WWD:ボトムスはこれまで主流だったワイドなスラックスからカプリパンツやトレンカなど半端丈もあり、変化の見られるシーズンだった。

福島:国内アパレルの展示会では各社アイラインのスカートも多く提案していましたね。いつもは私もパンツを選びがちなのですが、アイラインスカートは新鮮。今回のルックでも取り入れました。「膝下丈には何を合わせたら良いの?」とよく聞かれるんですが、スカートでもパンツでもロングブーツは合わせやすくておすすめです。

WWD:差し色もキーになるシーズンだ。

福島:ポイントは、見せる量。今回は鮮やかな赤いプルオーバーを腰に巻きましたが、ちらっと見えた時に存在感があるくらいがちょうどいいなと思いました。シューズや小物で取り入れるのも良いですね。

WWD:今季人気だったのは、グレーやブラウン。そこに合わせるおすすめの色は?

福島:定番で取り入れやすいのは「グレー×ピンク」や「グレー×赤」ですね。特に今季はボルドーが多く出ているので、グレーに少しボルドーを効かせるのはおすすめです。あとは、ピスタチオのような「くすんだグリーン」も展示会でよく見かけました。グレーに合わせると新鮮でかわいいと思います。

【LOOK2】アウターはコート未満、ジャケット以上の「ジャコット」

WWD:アウターで注目は?

福島:暖冬の影響か、ダウンや厚手のロングコートは少ない印象でした。その代わりに多かったのが、コートとジャケットの間のような、いわゆる「ジャコット」。今回選んだような毛足の長いシャギー素材やファージャケットなど、風合いのあるものがトレンドですね。これ1枚でもかわいいし、レザーの上から羽織るなど、スタイリングに凹凸のニュアンスを出しやすくてとても便利です。

WWD:そこにブルーのシャツを合わせた。

福島:今シーズンは、ダブルカフスのシャツにも注目です。ジャケットやアウターから大胆に裾を出すスタイリングが気になっています。「プラダ」は、グレーの太いロングコートからピンクのカフスを出していました。差し色の見せ方としても参考になります。

WWD:小物で気になるアイテムは?

福島:このルックには、大きめのサングラスを合わせました。この春夏から秋冬にかけて、ちょっとぷっくりしている幅のあるフレームがじわじわ増えてきている印象です。ルックに入れたサングラスは、赤みの少ないブラウンが気に入り取り入れました。

【LOOK3】モードに着こなすノルディックニット

WWD:ニットは気温対応しやすいという観点からもヤングから大人向けブランドまで多くのブランドが強化している。

福島:プルオーバーやカーディガン、タートルネック、ハーフジップまで本当に種類豊富に出ていましたね。特にトレンドのノルディックセーターですが、普通に着るとほっこりしすぎてしまうんです。モードに着こなすためのポイントは艶感との掛け合わせ。今回はレザーパンツとメタルパーツのベルトを合わせ、光沢感と辛口なニュアンスをプラスしました。ノスタルジックなムードもトレンドですが、海外ブランドのショーを見ていても、ビンテージ風の小花柄ドレスにはレザーアウターや太ベルト、つま先の尖ったシューズなどを合わせるルックが多かったです。

WWD:立ち上がりの時期はまだまだ暑さが残っているはず。スタイリングで軽やかさを出すコツは?

福島:例えばニットとレザーパンツ、足元はブーツにしてしまうと重い印象になります。立ち上がりの時期は、トングサンダルで少し足先を出すとか、カーディガンのボタンを少し開けるだけでも抜け感は作れます。

【LOOK4】潔いミニ丈×レイヤード

WWD:特にヤングマーケットではブルマのようなマイクロミニも多かった。

福島:ブランドによっては、ミニスカートにレギンスやハーフパンツをレイヤードしたり、さらにその下にタイツをはいたりする提案をよく見ました。昔だったらロングブーツ一択でしたが、足元の合わせのバリエーションが広がっていますよね。ルックではミニを主役にしつつ、柄のレイヤードを提案しました。ランウエイでは「ボーダー×花柄」といった大胆な柄対柄のスタイリングも多かったのですが、リアルクローズに落とし込むなら「配色のトーンを統一すること」が成功の秘訣です。今回はネイビーとイエローをベースにして、首元には同じトーンのドット柄スカーフを巻きました。何か共通点を見つけていけば、誰でも親しみやすくレイヤードを楽しめます。

WWD:ウエスト位置低めのベルト使いもポイントだ。

福島:最近はローウエストのバランスが増えています。ロングスカートで腰の位置を下げてしまうと、バランスを取るのがかなり難しいのですが、ミニ丈なら足の細い部分がしっかり見えるので、ローベルトを合わせてもきれいにスタイルアップできます。つま先がシャープなロングブーツを合わせれば、ボリュームのあるボトムスでもすっきりと着こなせますし、今季は黒のレースタイツなどを重ねて足元で遊ぶスタイルも増えていますね。

WWD:最近影響力を感じるコレクションブランドは?

福島:「ミュウミュウ」の影響力は依然として大きいですが、最近では「フィービー ファイロ」の影響も強まっているように感じます。個人的にこの秋気になるのは、オールブラック。スタイリングでとてもかっこ良かったのは「トム フォード」でした。ブラックを効かせた世界観の中に、ドットのタイツで甘さを挟む大胆さにはほれました。

PHOTO : TOMOHARU KOTSUJI
STYLING : AIKA FUKUSHIMA (LOVABLE)  
HAIR : MINORI KATO  
MAKE UP : YUI YAMANAKA  
MODEL : SHIO KITAMURA (UNKNOWN MANAGEMENT)

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