三井不動産は、館内ショップの商品をまとめて試着・購入できるサービス「ララピック(LaLa Pick)」を、「ららぽーと海老名」で期間限定実施している。期間は9月30日まで。昨年11月に続く2回目の実施で、対象店舗はファッションや服飾雑貨を店舗を中心に、今回はベビー&キッズを加えた46店舗に拡大した。本格導入に向け、利用者とショップ双方の利便性をさらに検証する。
「ララピック」は、従来の店舗ごとの試着・購入とは異なり、館内の対象店舗から気になる商品を選び、1カ所でまとめて試着・購入できるサービスだ。利用者は専用端末とアプリを使いながら館内ショップを回遊し、試着したい商品を各店に設置された専用ラックに掛けてQRコードを読み取る。その後、専任スタッフが商品を回収し、4階の体験型ショールーミング店舗「ららぽーとクローゼット(LaLaport CLOSET)」内に集約する。利用者は、複数店舗で選んだ商品を一度に比較・試着し、購入まで行うことができる。
同サービスは、小さな子ども連れのファミリー層をはじめ、館内を手ぶらで回遊しながら効率よく買い物を楽しみたい来館者のニーズから生まれた。30〜40代女性を中心に利用された前回の実証実験(10日間)では、利用者の来訪ショップ数が通常時の約1.9倍に向上し、試着点数は平均6着だった。平均客単価は通常時の約3.9倍を記録し、「再利用したい」という声も96%に達した。
今回は、前回の「商品のバーコードを読み取り、カートで持ち歩いてまとめて試着する」仕組みから、各ショップの専用ラックに商品を掛け、QRコードを読み取るだけで利用できる方式へとアップデートした。持ち出し中の商品はシステムで一括管理し、返却時もスタッフがQRスキャンでステータスを変更・追跡する。
テナントの接客支援と新規客獲得にも
「ララピック」は、利用者の利便性を高めるだけでなく、テナント側にとってもメリットがある。特に平日日中は販売スタッフが限られる店舗も多く、利用者が選んだ商品を専任スタッフが回収し、まとめて試着できる仕組みは、店頭接客を補完する役割を担う。また、複数店舗の商品を横断的に試着できるため、利用者が普段は立ち寄らない店舗の商品に触れる機会も生まれ、新規客獲得にもつながっている。
さらに拠点となる「ららぽーとクローゼット」には、カラー診断や骨格診断など、パーソナル接客のノウハウを持つスタッフが常駐する。利用者が選んだ商品に対し、好みや体型、似合う色などを踏まえた提案ができる点も強みだ。単に商品を1カ所に集めるだけでなく、施設横断で選んだ商品を、より購入者のニーズやタイプに合った形で提案できるサービスへと進化している。
購買データを活用し、EC連携も強化
参加ショップは、「ラコレ(LAKORE)」「オペークドットクリップ(OPAQUE.CLIP)」「ニコアンド(NIKO AND...)」「エービーシー・マート(ABC-MART)」「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」「フリークス ストア(FREAK’S STORE)」「ギャップ(GAP)」「H&M」「ミラ オーウェン(MILA OWEN)」「ザ・ノース・フェイス プラス(THE NORTH FACE+)」「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング(UNITED ARROWS GREEN LABEL RELAXING)」「ジーユー(GU)」「ポロ ラルフ ローレン(POLO RALPH LAUREN)」など。アパレル、シューズ、服飾雑貨を扱うショップがそろい、店頭には「ララピック」対象店舗であることを示す目印を掲出する。
三井不動産は、商業施設とECを連携させたオムニチャネル戦略を進めている。17年に公式通販サイト「アンドモール(&mall)」を立ち上げ、21年には骨格診断やコーディネート提案を行う体験型ショールーミング店舗「ららぽーとクローゼット」を開設した。今後は「ララピック」で得られる試着・検討データの活用も視野に入れ、来館後の商品レコメンドや「アンドモール」との連携を強化する。「ララピック」の本格導入も来年をメドに視野に入れる。