サステナビリティ

三井不動産と考える“SDGs時代”の「人が主役の街づくり」 ららぽーと編

 三井不動産は「人が主役の街づくり」「街づくりを通して、持続可能な社会の構築を実現」を理念に掲げる。全国で展開する三井ショッピングパーク・ららぽーとや三井アウトレットパークといった商業施設では、子育て世代を軸にした施設環境やサービスの充実で、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)を推進する。東京・日本橋では「残しながら、蘇らせながら、創っていく」のコンセプトのもと、地域の人々と一緒に開発を進める。ミヤシタパーク(MIYASHITA PARK)(東京・渋谷区)では、南北2つに分かれていた旧渋谷区立宮下公園をひとつにし、公園・商業施設・ホテルが一体となった次世代型の複合施設として、環境配慮の施策を積極的に行う。 “SDGs時代”にフィットする三井不動産のサステナブルな取り組みを全3回の短期連載で紹介する。第1回は、全ての人々が過ごしやすい施設を実現する、ららぽーとなどの商業施設の取り組みを紹介する。

ママもパパも、車いすでも
誰もが「子育てしやすい」
施設づくり

 ららぽーとや三井アウトレットパークなど、三井不動産グループが管理・運営する商業施設では、子育て世代に優しい施設を目指し、完全個室の設置型ベビーケアルーム「ママロ(mamaro)」の導入を加速している。フロアを改装せずに設置できる1畳ほどのボックス型空間には、ソファやコンセントがあり、授乳や離乳食、おむつ替えなどに利用できる。天井部が70%以上開口しているため密閉にならない工夫が施されている。従来の授乳室との最大の違いは、男性でも利用しやすい点だ。「ママロ」は、「授乳室=ママだけが利用するもの」という先入観を取り除き、誰もが育児をしやすい環境づくりに寄与する。現在、10施設に23台の設置が完了しており、他の施設にも順次導入予定だ。

 ららぽーとTOKYO-BAY(千葉・船橋市)には、複数ショップの購入前のアイテムを一カ所で試すことができる「ららぽーとクローゼット(LaLaport CLOSET)」がオープンした。ここには、施設内外の複数ストアのおすすめアイテムがセレクトショップのように並び、目当てのストアを巡るために広い館内を歩き回ることなくショッピングが楽しめる。その場で気に入った商品はもちろん、より短時間でショッピングを楽しみたい人は専用サイトで事前に予約した商品も試せる。手持ちの服を活用したコーディネート提案や接客サービスも受けられる。奧にはベビーカーや車いすもスムーズに入る約4畳の試着スペースを複数完備するほか、試着室以外にも、キッズスペースや同行者も利用できるカフェラウンジを併設し、フリーWi-Fiやドリンクサービスなども充実。気に入った商品は、スマートフォンでタグを読み取ることにより、同社が運営するECサイト「アンドモール(Mitsui Shopping Park &mall)」にアクセスし購入することができるため、手ぶらでのショッピングが可能だ。子連れでも気兼ねなく買い物できるサービスは、出店ブランドにとっても新規顧客開拓のきっかけとなっている。

商業施設が提供する
「次世代型学童」で
コロナ禍の急速なライフスタイルの変化にも対応

 近年では、乳幼児だけでなく、小学生以上の子どもを持つ世帯に向けた利便性の向上にも取り組んでいる。ららぽーとTOKYO-BAYでは、コロナ禍における急速な働き方の変化や、仕事と子育ての両立が困難になるとされる「小1の壁」などの社会問題を受けて、次世代型子育て総合支援プロジェクト「ママ・ウィズ・アフタースクール ワーク&スタディ(mama with AFTER SCHOOL WORK & STUDY)」をスタートした。民間学童保育ウィズダムアカデミーとの協働で「保育・学び・ワーク・コミュニティ」の機能をワンストップで提供する。企画担当者が「単なる学童保育にならないようにこだわった」という施設では、学童とプログラミングや英会話、ダンスなどの習い事を併せて利用したり、子どもを預けながらワーキングスペースを借りたりできる。大人が通える習い事もあり、平日午前にはレンタルスペースも提供する。料金は、学童&習い事の週1利用で1万8480円~。今後は子どもの一時預かりやワークショップの開催など、ニーズの多いサービスも充実を図る。

子育て中の社員の声を生かす
「ママ withららぽーと」

三井不動産は2015年ごろから、子育て当事者のリアルな声に積極的に耳を傾けてきた。
子育て中の社員のアイデアを生かすプロジェクト「ママ withららぽーと」では、テナント企業と連携し、乳幼児を主な対象としたオリジナル業態やメニューの開発に取り組む。顧客や社員のフィードバックを反映し改善を繰り返すことで、競合他社との差別化を図っている。ららぽーと和泉(大阪・和泉市)では、15年の開業時から書店と児童書コーナーにイベント広場を設置し、子ども服ブランドと定期的にイベントを開催。ららぽーと富士見(埼玉・富士見市)や三井アウトレットパーク 横浜ベイサイド(神奈川・横浜市)では、リニューアル・建て替えを機に、共用部に子どもが遊べるプレイエリアなどを大幅に拡充したり、施設とサービスの両面に「あると助かる」視点を組み込んでいる。

生理用ナプキン無料サービスで
“さまざまな格差”をフラットに

 女性の経済格差やジェンダーギャップの改善も後押しする。来館者の生理に伴う負担を軽減するため、ららぽーと富士見では、生理用ナプキンを無料で提供するサービス「オイテル(OiTr)」のディスペンサーをいち早く導入した。同サービスは、利用者が無料アプリをダウンロードし、ディスペンサーにスマートフォンをかざすと生理用ナプキン1枚を無料で取り出せる仕組み。2回目以降は初回の2時間後ごとに1枚、25日間で7枚まで無料で使用できる。「オイテル」は企業から募ったデジタルサイネージの広告収入により、生理用ナプキンを無料で提供する。施設内の女性用トイレの約9割にあたる120室にディスペンサーを設置したところ、利用者からは「生理中に必要としていた」「こんなサービスが欲しかった」という前向きなコメントが寄せられているという。4月開業予定のららぽーと福岡(福岡・福岡市)全館にも設置を予定するほか、同社が運営するほかの商業施設への導入も検討中だ。

 ららぽーとや三井アウトレットパークなど、三井不動産グループが管理・運営する商業施設は、これらの取り組みを通して、「ただ物を売る場所ではなく、豊かな時を過ごせる場所を提供する」空間づくり・街づくりを進める。

TEXT:ANRI MURAKAMI
問い合わせ先
三井不動産 広報部
03-3246-3155