ビューティ

ロレアル、米国の一部店舗でフレグランスの詰め替え販売導入 「YSL」「ランコム」など

世界最大のビューティ企業ロレアル(L‘OREAL)の米国法人であるロレアルUSAはこのほど、一部の百貨店店舗でリュクス部門傘下ブランドのフレグランスの詰め替え販売を行うリフィルファウンテンを導入した。8月から百貨店ディラーズ(DILLARD’S)の4店舗で展開し、「ランコム(LANCOME)」の“ラ ヴィ エ ベル”や“ラ ヴィ エ ベル エリクシール”、「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」の“リブレ”、「ミュグレー(MUGLER)」の“エンジェル”や“エイリアン”、「アルマーニ ビューティ(ARMANI BEAUTY)」の“アクア ディ ジオ”などの主要フレグランスラインを対象とする。

売上高の約3割がリフィル経由
「ミュグレー」の成功モデルを拡大 

これは、欧州など他地域で実施している同様の取り組みから着想したもの。「ミュグレー」はその先駆けで、1992年からリフィル用ディスペンサーを導入している。「他のフレグランスにも広げることは興味深い試みだと考えた」とシルヴィア・ガルフォ(Silvia Galfo)=ロレアルUSA リュクス事業本部プレジデントは説明する。導入のタイミングについては、複数の要因を挙げた。ロレアルが持続可能性をコアバリューとして重視していること、消費者の詰め替え習慣の浸透、ビューティアドバイザーの教育体制の整備などだ。最も重要なのは事業が成長している時期に導入したことで、「米国のリュクス部門は市場を上回る成長を遂げており、フレグランスは特に好調だ。我々は市場シェアの約3分の1を占めており、メンズ・ウィメンズ共に、新作と定番の両方が成長している」と強調した。

最も期待される新製品には、R&B歌手のアッシャー(Usher)がイメージキャラクターを務める“ラルフズ クラブ ニューヨーク”、俳優のトム・ホランド(Ton Holland)を起用したメンズフレグランス“プラダ パラダイム”がある。また、既存製品では環境配慮型のリニューアルが進行中だ。「ランコム」の“ラ ヴィ エ ベル エリクシール”の100mLリフィルは、50mLボトル2本分と比較してガラス使用量を73%、プラスチックを66%、厚紙を61%削減でき、「イヴ・サンローラン」の“リブレ”や「プラダ(PRADA BEAUTY)」の“パラドックス”、「ミュグレー」の“エンジェル”でも同様の効果があるという。「ミュグレー」では既に売上高の25〜30%がリフィル経由であることから、他ブランドの定番フレグランスでもリフィル文化の定着が期待できるという。

ディラーズでの導入理由と今後の展開

今回の導入先にディラーズを選んだ理由についてガルフォ=プレジデントは、「同社の手厚いサービスモデルがリフィル文化の普及を後押しすると考えた。知識習得に意欲的なスタッフ、ロイヤル顧客への非常に強力な顧客管理アプローチ、営業時間外の顧客向けイベントも数多く実施している」と説明した。同氏はリフィル対応製品のラインアップ拡大にも前向きで、「今後、『イヴ・サンローラン』の“マイセルフ”や『ヴァレンティノ ビューティ』の“ボーン イン ローマ”なども対象になり得る。それには店頭の販売スタッフの完全な理解が不可欠だ。ローカルでのマーケティングやSNS戦略、インフルエンサーへのアプローチも積極的に行う予定だ」と述べた。

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