米「ヴォーグ(VOGUE)」は、ヘッド・オブ・エディトリアル・コンテントとして、同誌のクロエ・マル(Chloe Malle)=エディターを任命した。37年にわたり同誌を率いたアナ・ウィンター(Anna Wintour)=コンデナスト チーフ・コンテンツ・オフィサー兼グローバル・エディトリアル・ディレクターの直属として、エディトリアルやクリエイティブを統括する。
現在39歳のマルは、俳優のキャンディス・バーゲン(Candice Bergen)と映画監督のルイ・マル(Louis Malle)との間に生まれた。ブラウン大学卒業。「ヴォーグ」では2011年にソーシャルエディターとしてキャリアをスタートし、その後、ウェディングやソーシャル分野のほか、ファッションや政治、ホーム、ガーデン、ビューティ、ウエルネスを含む幅広いトピックに携わってきた。16〜23年には撮影全般のディレクション業務を担い、23年から「Vogue.com」のエディターとしてデジタルコンテンツを制作。また22年からは、同誌のポッドキャスト番組「ザ ランスルー」のホストも務めている。
同誌によると、マルのリーダーシップのもと「Vogue.com」への直接アクセスは2倍に増加したという。また、「メットガラ」などのイベントを通じて、ユニークユーザー数、サイト滞在時間、コンテンツ量など主要指標の全てで2桁成長を遂げ、ユニークユーザー数は現在、月次平均1450万人を記録している。
マルは、「私は『ヴォーグ』で、誌面からデジタル、オーディオ、動画、イベント、SNSに至るまで、あらゆるプラットホームでキャリアを積んできた。『ヴォーグ』というタイトル、そして制作してきたコンテンツ、クリエイターを愛している。『ヴォーグ』で形作られた私が、今度は『ヴォーグ』を形作っていくことにワクワクしている。読者が求める真の多元的なプラットホームを育てながら、紙媒体、動画、そしてイベントといった全てにもっと自分を注ぎ込んでいけることを楽しみにしている。ファッションとメディアが猛烈な速さで進化している今、この世界にいることを恐れ多く感じている。それから、これからもアナがメンターとしてそばにいてくれることを幸運に思う」とコメントした。
ウィンターは「温かさ、喜び、経験、そして確かなビジョンが『ヴォーグ』の成長を支えていく。ファッション界と社会全体が大きな変化にある中で、『ヴォーグ』は業界の基準を示しつつ、境界を押し広げる存在であり続けなければいけない。クロエは、米『ヴォーグ』が唯一無二の長い歴史と新しい未来の両方を包括できることを示してきた。彼女は今後、私たちと読者を今まで見たことのない世界に導いていく。彼女のメンターとして、そして生徒として働き続けられることが嬉しい」と話した。