「プロエンザ スクーラー(PROENZA SCHOULER)」は9月2日、新たなクリエイティブ・ディレクターとして、ニューヨークを拠点とするウィメンズブランド「ディオティマ(DIOTIMA)」のレイチェル・スコット(Rachel Scott)創業デザイナーが就任したことを発表した。
スコット新クリエイティブ・ディレクターは、ウエア、ハンドバッグ、フットウエアに加えて、カジュアルラインである“ホワイト レーベル(WHITE LABEL)”も手掛ける。正式なデビューは2026年2月に発表する26-27年秋冬コレクションとなるが、同氏はすでに8月15日付でブランドに加わっているほか、数カ月前から26年春夏コレクションのコンサルタントとしてデザインスタジオと共に働いていたという。このため、9月のニューヨーク・ファッション・ウイークでは新生「プロエンザ スクーラー」の片鱗を見ることができそうだ。
スコット新クリエイティブ・ディレクターの経歴
スコット新クリエイティブ・ディレクターは、1984年ジャマイカ生まれ。ニューヨークのコルゲート大学(Colgate University)でファインアートと仏文学を、ミラノのインスティチュート・マランゴーニ(Istituto Marangoni)でファッションデザインを学んだ。「コスチューム ナショナル(COSTUME NATIONAL)」でキャリアをスタートし、「J.メンデル(J. MENDEL)」と「エリザベス アンド ジェームス(ELIZABETH AND JAMES)」で経験を積んだ後、15年に「レイチェル コーミー(RACHEL COMEY)」に入社。さまざまな業務を経験し、最終的にはデザイン・ウエア・フットウエア部門バイス・プレジデントを務めた。21年に自身のブランド「ディオティマ」を設立。繊細なクロシェ編みをフィーチャーしたデザインはジャマイカの伝統的な職人技を着想源としており、エフォートレスなテーラリングにも定評がある。なお、同氏は今後も「ディオティマ」を継続するという。
23年には、アメリカファッション協議会(COUNCIL OF FASHION DESIGNERS OF AMERICA、CFDA)による「CFDAアワード(CFDA Awards)」で新進デザイナー賞を受賞したほか、CFDA/ヴォーグ ファッション基金アワード(CFDA/Vogue Fashion Fund Award)で準優勝を獲得。また、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)による「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE)」のファイナリストに選出された。24年には、「CFDAアワード」のウィメンズウエア・デザイナー賞を受賞している。
ブランドの創業者も納得の人事
「プロエンザ スクーラー」は、02年に創業デザイナーのジャック・マッコロー(Jack McCollough)とラザロ・ヘルナンデス(Lazaro Hernandez)が設立。ニューヨークのファッションシーンの雄として人気を集めていたが、2人は25年3月で退任し、4月7日付で「ロエベ(LOEWE)」のクリエイティブ・ディレクターに就任した。なお、両氏は現在も「プロエンザ スクーラー」の株主として役員を務めている。
マッコロー「ロエベ」クリエイティブ・ディレクターは、「レイチェルの作品には以前から敬意を抱いており、彼女のここ数年の活躍には目を見張るものがある。『プロエンザ スクーラー』の創業者および役員として、この特別なブランドにレイチェルを迎えることを誇らしく思う。私たちがスタートしたレガシーとスピリットを、彼女がどのように進化させていくのかをとても楽しみにしている」と語った。