毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2025年8月25日号からの抜粋です)
木村:約6年ぶりのジーンズ特集です。「ユニクロ(UNIQLO)」や「ジーユー(GU)」はもちろんですが、ラグジュアリーブランドのコレクションでも多く出てきていますし、セレクトショップなどでも定番的に売れています。今のスタンダードは何か。どんなスタイルがトレンドなのかを探りました。K-POPアイドル着用の影響もあって、ワイドシルエットの腰ばきが若い人に人気なのですが、横山さんが若いころはスキニーが全盛だったんですよね。
横山:アメリカ西海岸発のプレミアムジーンズがブームで、美脚に見えるストレッチジーンズが人気でした。ただ、当時はやっぱりジーンズといえば王道はストレート。それが今はワイドがメイン。久々にジーンズ特集をやって新鮮でした。
木村:ファッションはジェンダーレス化が進んでいるので、男女両方から受け入れられるシルエットなんですよね。ずっとデニムを軸にしているグレン・マーティンス(GLENN MARTENS)「ディーゼル(DIESEL)」クリエイティブ・ディレクターも、取材時にワイドデニムを着用していました。今はオトナもワイドをはく時代です。ここ数年、ブランドとしてプレーヤーが増えている印象もあります。
横山:もう一つのトレンドといえるのが、ジャパンデニムですよね。ギンザ シックスにある「ジャパンデニム(JAPAN DENIM)」の絶好調ぶりに象徴されるように、メード・イン・ジャパンデニムが売れています。Lキャタルトンが「キャピタル(KAPITAL)」に投資するというニュースも記憶に新しいです。キーコンテンツにするべく、「45R」など、日本製デニムに強みがあるブランドや、岡山と広島の工場も取材しました。
示唆に富んだ事例を発見!
木村:何が一番印象に残りましたか?
横山:カイタックインターナショナルの「ヤヌーク(YANUK)」の工場です。2008年に商標を取得して、今は100%日本製で、しかも自社工場で作っています。工場も働いているのは8割くらいが女性。年間休日数は125日など、労働環境は日本のアパレル関係の工場だと抜きん出ている。日本で作られているアパレルが1.5%しかない中で、“メード・イン・ジャパン”の生き残りについて大変示唆に富んだ事例だと思います。