
「オークリー(OAKLEY)」は、現地時間の7月11日、米国・カリフォルニアにある同ブランド本社、通称「インタープラネタリー・ヘッドクオーター」で創立50周年を祝うイベントを開催し、宇宙開発を専門とするスタートアップ、アクシオム・スペース(Axiom Space)とのパートナーシップ締結を発表した。
米国・テキサス州ヒューストンを拠点とするアクシオム・スペースは、若田光一氏が宇宙飛行士兼最高技術責任者を務めることでも知られる民間の宇宙開発企業。NASAが1972年以来初めての有人月面着陸を目指して主導する「アルテミス計画」で、同社は宇宙服(船外活動ユニット)の開発を手がける。今回締結したパートナーシップに基づき「オークリー」と同社は、アルテミス3号に乗船する宇宙飛行士が船外活動の際に着用する宇宙服のバイザーシステムを共同開発する。
光の屈折が地球上とは異なり、星や太陽からの強い光やチリにさらされる宇宙では、有害な放射線から目を守り、常にクリアな視界を確保することが求められる。アクシオム・スペースは、長年、エクストリームスポーツなどの過酷な環境に耐えうる機能性を備えたアイウエアを開発してきた「オークリー」の実績と専門性を高く評価。同ブランドは、そのノウハウを生かして宇宙開発のフィールドに参入する。
「オークリー」のライアン・セーラー(Ryan Saylor)=先進製品開発部門シニア・バイス・プレジデントは「次に月面着陸を果たす人類は、『オークリー』のバイザーシステムを着用する。アクシオム・スペース社との共同開発は、歴史に残る画期的な成果となるだろう。アルテミス3号の有人月面探査計画、さらに未来の宇宙探査に貢献できることを誇りに思う」と語った。
アクシオム社のラッセル・ラルストン(Russell Ralston)=船外活動部門エグゼクティブ・バイス・プレジデントも「『オークリー』との共同開発を大変光栄に思う。アイウエアのイノベーションで何十年にもわたって先駆的な専門領域を開拓してきた同ブランドは、当社の宇宙服設計に計り知れない価値をもたらすだろう」と述べた。
“オークリー エリプス”の50周年記念限定モデルも発表
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また同ブランドは、上述のイベント前日に“オークリー エリプス”の50周年記念限定モデルを発表した。同モデルは「オークリー」のロゴをかたどった楕円形のシルエットや、90年代をほうふつとさせる大胆なカーブ、最近のベストセラーモデル“レーダーEV(Rader EV)”のデザインを踏襲したステム、そして独自開発した未来的なレンズシェイプなどを融合したデザイン。レンズには、細部まで鮮明な視界を実現する「プリズム 24K」を搭載している。
価格は5万9180円。直営店、公式オンラインストア、一部の取り扱い店で販売中だ。