ファッション

マッシュの社員向けサステナ研修 東京・四ツ谷の本社に770人が大集合

マッシュホールディングス(以下、マッシュHD)はこのほど、社員向けのサステナブルカンファレンスを実施した。東京・四ツ谷の本社に770人、オンラインに160人が集まった。

同社は、「スナイデル(SNIDEL)」や「ジェラート ピケ(GELATO PIQUE)」「フレイ アイディー(FRAY I.D)」「リリー ブラウン(LILY BROWN)」など、数多くの人気ブランドを抱える国内のウィメンズアパレルのリーディングカンパニー。トレンドだけでなく、サステナビリティにも本気で向き合ってきた。22年にはサステナブル推進委員会を発足し、全社をあげてCO2削減に取り組んでいる。

カンファレンスは、ウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領の名スピーチで幕を開けた。「無限の消費と発展を求める社会は、人々を、地球環境を疲弊させる。発展は幸福のためになされなければならない」。ムヒカ大統領の語り口は、創業当初から「ウェルネスデザイン」を企業理念として掲げ、事業活動を通してより良い社会、地球環境を実現しようとする近藤広幸社長のそれと重なる。

マッシュHDが束ねるマッシュグループの2024年8月期連結売上高は、前期比6%増の1202億円だった。営業利益の詳細数字は非公開としたが、同社として初めて100億円を突破した。そんな勢いあるマッシュHDの社員から、「売り上げとサステナは両立できるのか?」と鋭い質問が挙がる。近藤社長は次のように答えた。「マーケットシェアを伸ばすということは、私たちが思う“正しいこと”を広げられるということ。売り上げを上げれば上げるほど、サステナビリティを社会に浸透させられる」。対談相手の東京大学未来ビジョン研究センターの江守正多教授も、「ファッションはメッセージ性を帯びている。他の業界と比べても、社会的役割を果たしやすい」とうなずく。

一際大きな歓声を持って出迎えられたのは、デザイナーの篠原ともえだ。当時は歌手・タレントであり、デザイン科に通う高校生でもあった篠原がけん引した、1990年代の“シノラーファッション”を語った。「人前で着たい服がなかった。だから自分で作った。ただただファッションを楽しむ私の姿を、ファンがポジティブに受け取ってくれた。そうしたら“シノラーファッション”なんて言葉がついてきた」。ムーブメントを広げるには、受け手の共感が欠かせない。その点、社会現象を巻き起こした篠原からは、マッシュHDも学べることが多いはずだ。

社員からは、「『自分の行動が未来に影響する』という意識を持つことの大切さを学べた」「企業として課題に取り組む意義を再認識できた。目の前のできることから取り組み、いずれは大きなムーブメントにつなげられるようにしたい」といった感想が集まった。

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