アメリカ最大級の音楽フェス「コーチェラ・ヴァレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバル 2025(Coachella Valley Music and Arts Festival 2025)」(以下、「コーチェラ」)が4月11日(現地時間、以下同)、米カリフォルニア州インディオで開幕した。
初日の11日には、ヘッドライナーを務めたレディー・ガガ(Lady Gaga)やBLACKPINKのリサ(Lisa)、タイラ(Tyla)らが出演。12日にはチャーリー・XCX(Charlie XCX)やENHYPEN(エンハイプン)らがパフォーマンスを披露した。
リサ
リサは、「コーチェラ」で初めてのソロパフォーマンスをサハラステージで披露。スタイリストのブレット・アラン・ネルソン(Brett Alan Nelson)とデザイナーのアッシャー・レヴィン(Asher Levine)とともに制作した近未来的で異世界のような衣装で登場した。
培養レザーでとハイテクな衣装で知られるレヴィンは、リサとネルソンに、アニメのヴィランを思わせるオープニングアクト用の衣装と、発光する生物と半透明の昆虫を思わせる衣装の制作を依頼された。
レヴィンは米「WWD」に対し、「1つ目のヴィランの衣装は、アニメのサイボーグを参考にした。フルマッスルスーツとオーバーサイズジャケットに、爬虫類的で解剖学的な美学をミックスして私らしいアレンジを加えた。我々は、リサのために、彫刻のような爬虫類の皮のスーツと胸当てをカスタムした。リサが私がディレクションしたものを体現してくれたのは素晴らしかった。この衣装のキャラクターを進化した、パワフルで異質なものに押し上げてくれた」と話した。
2つ目のルックには、ガラスのような花びらと、カラフルで血管のようなラインが体に沿ってスーツの下に張り巡らされた光り輝くスーツが登場。「どちらのルックもトランスフォーメーションを探求している。1つは、冷酷さと威圧感を、もう1つは、優美さと軽やかさだ。そのバランスにはワクワクする」とコメントした。
2つの衣装を作るために、レヴィンは、ロサンゼルスにある彼のアトリエで、ファッション、彫刻、技術のチームと共同して“光の速さ”で作業を行なったという。レヴィンは、「だからこそ、複雑でハイテクなアイテムを素早く仕上げることができるんだ。そう、ワイヤレスのイルミネーションも埋め込んで。これは私の長年の言語なんだ。光やテクスチャー、フォームを生きたものにする、これは、着ることのできる錬金術だと思っている」と語った。
レヴィンの作品は、ビオモーフィズム、解剖学、そしてパワーに基づいている。「私は、次の自分、つまり異質なもの、別のものへと進化する人たちのためにデザインしている」と話すレヴィンは、リサとのコラボレーションにあたり、ステージの照明と熱気、振り付けに負けない衣装を作ることに注力した。
レヴィンはまた、衣装制作の思いを次のように明かした。「私の作品は、クチュールと技術、動きが交差するところにある。新しい時代の奇抜なものを、視覚だけでなく、着用できるようにするということだ。全てが魔法のようでありながらも、第2の皮膚のように動くものでなければならない。リサにはこの異質な姿で力強く、流動的で、そして完璧に彼女自身であることを感じてもらう必要があった。そして、それはまさしく我々がリサに与えたものだった」
リサは、4月18日7時45分から同じくサハラステージでパフォーマンス予定だ。
レディー・ガガ
レディー・ガガのパフォーマンスは、ドラマチックなファッションを含め、ファンの期待するもの全てに応えた。ガガは、メーンステージで最新アルバム「メイヘム」にインスパイアされた、卓越したシアトリカルなパフォーマンスを披露。「マックイーン(MCQUEEN)」をオマージュしながら、“光と闇という相反する力の二面性”というショーのストーリーを体現するルックを着用した。
「ポーカー・フェイス」披露時には、「マックイーン」2005年春夏コレクションのショー、“たかがゲームじゃないか(It’s Only a Game)”に合わせ、3Dのチェスが舞台に登場。
シアトリカルな演出で知られる「マックイーン」は、05年春夏コレクションで同様のセットを用意し、モデルをチェスの駒に見立てて配置していた。
「パパラッチ」披露時にも、「マックイーン」を参考に、流麗で優美なホワイトの生地が腕から伸び、羽のようなエフェクトを作り出す衣装を着用。このルックは、同ブランド23-24年秋冬コレクション、“スキャナーズ(Sccaners)ショーのルックを思わせた。ガガは、メタリックな胸当ても身につけていた。
5幕で構成された110分に及ぶパフォーマンスの間、ガガは、「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」03年春夏コレクションから、ボンテージにインスパイアされたブラックレザーのジャケットも着用。また、サミュエル・ルイス(Samuel Lewis)とセス・プラット(Seth Pratt)がデザインした、ランジェリーが着想源のブラックミニドレスとルビーレッドのサテンドレス、砂場でのパフォーマンス時には、「ディラーラ フィンディコグルー(DILARA FINDIKOGLU)」のカスタムルックを披露した。
ほか、「シャイセ」披露時には、キャバレーを思わせるドラマチックなレッドドレスで観客の上に高く上がった。
ガガが「コーチェラ」のヘッドライナーを務めたのは、2017年以来2度目。最新アルバム「メイヘム」から、「アブラカダブラ」「パーフェクト・セレブリティー」「ディジーズ」「ザ・ビースト」「キラー」「ダイ・ウィズ・ア・スマイル」のほか、人気曲の「ポーカー・フェイス」「ジューダス」「パパラッチ」「アレハンドロ」「ボーン・ディス・ウェイ」「シャロー」を披露した。18日23時10分から再びメーンステージに登場する予定だ。
タイラ
タイラは、ロン・ハルトレーベン(Ron Hartleben)によるスタイリングで「コーチェラ」デビューを飾った。「ドルチェ&ガッバーナ」00年春夏コレクションから、「スワロフスキー(SWAROVSKI)」クリスタル製のブラと、ガラスのフリンジがついたシルクのシャガードベルトスカートを着用。ホワイトのクロップド丈のトップスを胸の上で結び、大胆な丸いカットアウトを施したメッシュのタイツを合わせた。
またタイラは、「パンドラ(PANDORA)」のゴールドとシルバーのジュエリーを身にまといコーデを完成させた。同ブランドは8日、タイラをアンバサダーに任命したことを発表したばかりだ。
ENHYPEN
ENHYPENも12日、「コーチェラ」初出演を果たした。アンバサダーを務める「プラダ(PRADA)」を着用し、13曲を披露した。