「ジーユー(GU)」は3月14日、「アンダーカバー(UNDERCOVER)」の高橋盾が手掛ける「ユージー(UG)」を発売した。「ジーユー」と「アンダーカバー」は2021年春夏以降、4シーズンにわたってコラボレーション商品を発売してきたが、「ユージー」はコラボではなく新ラインという一歩進んだ位置付け。「ユージー」についての「WWDJAPAN.com」記事はどれも非常に好反応で、期待の高さがうかがえる。一方、足元の商売では「ジーユー」は苦戦中。日本の「ジーユー」から世界の「ジーユー」にステップアップしていくために、目先の売り上げ以上のものを「ユージー」から吸収しようとしている。
「本質的な課題として、『ジーユー』は国内外で確固たるブランドポジションを明確に確立できていない」。ファーストリテイリングが1月に開催した24年9〜11月期決算説明会で、同社の岡﨑健取締役グループ上席執行役員CFOからはこんな厳しい言葉が飛んだ。「ジーユー」は24年9月に米ニューヨークに常設店を初出店し、ここからグローバルな存在へと階段を上っていくイメージだった。それなのに、9〜11月期は「増収・大幅減益」と、予想を下回るさえない結果で着地。10月の高気温に苦しめられたが、兄弟ブランドの「ユニクロ(UNIQLO)」は9〜11月も国内で「増収・大幅増益」を達成しており、気温は言い訳にならない。
振り返ると、ここ数年の「ジーユー」の業績は、カーゴパンツや“スウェT”などうまくマスヒットが出ると上向いて、ヒットが出ないと品番数が膨張し苦戦、という波を繰り返してきた。「ユニクロ」よりもトレンド色が強い「ジーユー」ゆえ、それも仕方がないとも思うが、トレンドで右往左往してしまうのが、まさに「確固たるブランドポジションを確立できていない」ということなのだろう。
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