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「ユニクロ」の“感動パンツ”10周年 「アスリートが求める機能性は、一般消費者も快適にする」

ユニクロ(UNIQLO)」の“感動パンツ”“感動ジャケット”シリーズが、シリーズの原点となる“ドライストレッチパンツ”を2014年に発売してから、10周年を迎えた。25年春夏は、クレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)による「ユニクロ:シー(UNIQLO:C)」で企画した、ウィメンズのダブルブレストの“感動ジャケット”(7990円)やメンズの“感動ジャケット”(7990円)が「非常に好調」(勝田幸宏ファーストリテイリンググループ執行役員ユニクロR&D統括責任者)という。

“感動パンツ”は、「ユニクロ」が13年にグローバルブランドアンバサダー契約を結んだ豪のプロゴルファー、アダム・スコット(Adam Scott)選手の意見を取り入れて開発したというのは有名な話。「軽量性、速乾性、高伸縮性を備えてゴルフのプレーを邪魔せず、見た目は合繊ではなく天然素材のように見えるパンツがほしい」というスコット選手の要望を受け、ユニクロと、06年から同社と戦略的パートナーシップを結んでいる東レとで開発をスタートした。

「シワになりづらいしすぐ乾くが、見た目は天然素材のようでエレガント。このように、“感動”シリーズの開発には、矛盾する要素をいかに成立させるかという課題解決が詰まっている。これは『ユニクロ』の企業としての開発姿勢を表すものでもある」と勝田執行役員は話す。

「東レがこだわり抜いて生地開発している」

“感動パンツ”のような、「アスリートが求める機能性は、一般消費者の日常生活も快適にする」といったアイテム開発の考え方は10年前に比べていっそう世の中に浸透した。コロナ禍以降は特に、あらゆるシーンで着心地の良い服を求めるニーズが強まっている。「(そのように)カジュアルウエアが機能性を持つようになり、逆にスポーツウエアはライフスタイル化が進み、今の市場はボーダーレスとなっている。その中でも、他ブランドと比較した際に『ユニクロ』は(機能性と見た目の両立の)要求のレベルが非常に高い。われわれもこだわり抜いて作っている」と、東レの石川元一グローバルSCM事業部門長は説明する。

“感動”シリーズとしては、20年に同じファーストリテイリンググループ傘下で元々パンツを強みとする「セオリー(THEORY)」と組んでイージーパンツを開発。22年に発売した「ユニクロ」と「マルニ(MARNI)」とのコラボレーションの中でも、“感動ジャケット”“感動パンツ”をラインアップした。また、22年以降は「ユニクロ」のコアラインで、メンズに加えてウィメンズでも“感動”シリーズを展開するようになっている。「(ブラトップや“ラウンドミニショルダーバッグ”など)『ユニクロ』として海外でバズを生むアイテムもいくつか出てきているが、“感動”シリーズは海外での認知はまだまだ。“ヒートテック”しかり、『ユニクロ』の商品は一度着ると機能性を理解していただけることが多い。“感動”シリーズも海外でも販促に力を入れていく」と勝田執行役員。

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