ビューティ

中国コスメ「フローラシス」が初の海外旗艦店をギンザシックスにオープン 25店舗体制目指し出店加速

中国コスメ「フローラシス(花西子、FLORASIS)」は1月27日、初となる海外旗艦店をギンザシックスにオープンした。中国の伝統文化と古典美学を商品パッケージやデザインを施した国内外で人気のカラーメイク、スキンケア、フレグランスを集積。店舗限定商品などもそろえる。

「フローラシス」は2017年に誕生。日本は21年に初の国外進出としてアマゾンに出店。日本を重要なマーケティング市場と捉え23年からオフライン展開を強化する。百貨店などでポップアップを実施し顧客とのタッチポイントを増やしてきた。現在、アットコスメストア3店舗にコーナー展開するが同ブランドを手がける杭州宜格化粧品の任剛睿(ニン・コウエイ)=共同創業者は「ブランドの世界観を表現するスペースを十分に確保できていない」ことから旗艦店を開設した。

「フローラシス」のギンザシックス店の売り場面積は約52㎡。店舗は白を基調に、ブランドカラーで中国古代の女性が眉を描くために使用していた黛色(たいしょく)を随所に採用した。店舗のコンセプトは中国伝統の庭園である隠園(いんえん)。来店者に安らぎの時間を提供したいという思いが込められている。店舗中央部に位置するディスプレー台は中国の湖と山々の美しい景色を再現した曲水流觴台(きょくすいりゅうしょうだい)を備え、オープン記念として66個限定の手縫刺繍コレクション(5アテイム入、4万9500円)ほか、オフライン限定商品などをそろえている。

店内は、ブランドを代表する“百花同心錠 彫刻リップ”(6270円)や“京劇彫刻マルチパレット”(7920円)、“玉養桃花 ルースパウダー”(4620円)、“桃顔純潤 クリーム&フェイスベース”(7980円)などカラーメイク70%、スキンケア・フレグランス30%で構成する。タッチアップスペースを3席用意し、事前予約制で中国風メイクの体験サービスを提供する。

タッチポイント増やし、28年までに25店舗体制へ

任共同創業者が旗艦店開設に伴い来日。旗艦店への思いやブランドの未来像を語った。

WWD:海外初の旗艦店を日本で展開する狙いは。

任剛睿・杭州宜格化粧品共同創業者(以下、任):「フローラシス」をグローバルブランドに育成する中で、日本をマーケティング市場として注視する。リテールを重要視する日本でポップアップを積極的に開催してきた。今回、富裕層の訪日客が多く訪れるギンザシックスから出店のオファーをもらい、中国の伝統文化と古典美学が大切にするブランドストーリーが伝えやすく、サービスの提供ができるとして旗艦店をオープンした。実店舗1号店で旗艦店を22年12月に杭州・西湖に開設。売り場面積は約1000㎡でフルラインアップを展開するが、ギンザシックス店では日本で好調なアイテムを中心に本国旗艦店の7割程度の品ぞろえとした。

WWD:日本の旗艦店に期待することは。

任:顧客層は25歳前後を軸に18〜40歳と幅広い。中国伝統漢方の知恵と現代の美学を融合した製品を支持してくれている。店舗で中国風メイクサービスを提供するなどブランドの文化価値が伝わる取り組みを強めていく。売り上げ目標は非公表だが、旗艦店という新たな挑戦に期待を寄せている。

SNS発信と旗艦店が転機に

WWD:ブランドの転機は。

任:19年に中国伝統文化的なコンテンツをSNSで発信したこと。多くの女性が拡散してくれ、ブランドの知名度が向上した。そのほか、22年に中国で旗艦店出店したことも節目となった。顧客の生の声を聞くことができ、ブランドへの深度を高めることができた。

WWD:販売網が広がっている。

任:現在110カ国でオンライン販売を行なっている。売り上げ上位国は中国が1位で、日本とアメリカ、東南アジアと続く。全社の売上高は右肩上がりで成長している。

WWD:日本市場をどう捉えているのか。

任:上陸初日にアイコン商品の“百花同心錠 彫刻リップ”(5600円)が3時間で完売するなど、コロナ禍での進出だったがオンラインで展開したため初年度から好調に推移した。一方で「実際に製品を試したい」という顧客も増えたためリテール出店を強化中だ。28年までに25店舗体制を確立したい。

製品は年1〜3回見直しを行うが、その際に大切にするのは顧客のニーズを反映、最新技術を搭載、デザイン・美学の体験価値の提供だ。中国の伝統文化に触れたいと感じてくれる顧客は多いが、足りないのは日本のユーザーの声。リテールを強化することで日本のニーズを汲み取りローカライズした製品が展開できれば、日本での存在価値を高められるだろう。

WWD:今後注力する国は。

任:フランスとシンガポールだ。中国の伝統技法を表現した製品は、多くの女性を魅了できると信じている。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

U-30クリエイターズ特集 境界線を飛び越える、若きクリエイターたちの現在地【WWDJAPAN BEAUTY付録:我が道を行く、ロート製薬】

4月28日 & 5月5日の合併号となる今号は、30歳以下のクリエイターを特集します。毎年恒例になりつつあるこの企画ですが、今回は「ビヨンド バウンダリーズ(越境するクリエイティビティー)」と銘打ち、国籍やジェンダー、身体、カルチャーの枠組みを超えて表現を続ける、U-30世代のクリエイター18名に光を当てました。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。