「WWDJAPAN」は8月、「コンテンツマーケティング講座」を開催した。これは、SNSの投稿やオウンドメディアの記事から、ポップアップやイベントまで、全てを「コンテンツ」と捉え、これらを企画、実行、そして検証する思考法を学ぶもの。会場にはSNSから広報・PR、そしてマーケティングの担当者が集まり、2日間・全4コマでワークショップ形式の講座に臨んだ。
視聴期限:2025年9月9日(火)23:59まで
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1限目
“読んでもらえない“時代の振り向きたいコンテンツとは?
1限目は、「WWDJAPAN」の八木由希乃・編集制作マネジャーが登壇。ラグジュアリーからマスブランドまで数々のクライアントとのタイアップを企画・制作してきた経験から、媒体らしさとクライアントの意向を両立、つまりブランドらしさと売り上げなどのビジネス的な効果を兼ね備えたコンテンツの企画法や生み出し方を伝授した。
八木は、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)のエンターテインメント事業への進出や、「ユニクロ(UNIQLO)のフリーマガジン「LifeWear マガジン」に代表されるよう、「企業やブランド自体がコンテンツ制作を担う流れが加速している」と、コンテンツマーケティングの重要性を説明。一方YouTubeの有料会員数が1億人を突破するなど、メディアを取り巻く状況は厳しくなっていることを踏まえ、「読者には“読んでもらえない“と肝に叩き込む」ものの、「それでも振り向いてもらうには、求められる“らしさ“の追求が重要」と訴えた。その代表例として挙げたのは、「WWDJAPAN.com」における「ティファニー(TIFFANY)」とのタイアップ。このタイアップは、スタイリストが訴求する商材をスタイリングしたいと思うモデルを指名するという企画。結果コンテンツに滲み出たスタイリングの多様さと、ファッション性が“「WWDJAPAN」らしさ“であり、ユーザーからもクライアントからも反響が大きかったことを伝えた。また、こうした発想を近年はイベントや、その中のコンテンツにも応用しており、そのノウハウについても説明した。
2限目
社会性を備えつつ、リアルイベントを育むには?
2限目は、「ニナ リッチ(NINA RICCI)」や「ヌメロ ヴェントゥーノ(N21)」などを輸入・販売するIZAの田中タキ社長が登壇し、リアルイベントの企画について話した。
IZAの名物コンテンツは、これまで16回開催している「イザ ピンク クリスマス」。ピンクリボンや動物愛護などの社会的コンテンツも加えながら、規模を拡大し続けている。田中社長は、ドレスなどを扱うセレクトショップとして、販売したアイテムを楽しんでいただく機会を提供すべくスタートしたイベントの歴史を説明。踏まえて「イベントは、本当にそれをやりたいのか?」「なぜ、開催したいのか?」という強い思いを持つことが重要と指摘した。その「なぜ」から独自性の高いコンテンツが生まれるし、「本当にやりたい」から多くの人が共感、参画し、結果SNSなどを通じて輪が広がり、イベントは段階的かつ継続的に発展していくためだ。加えて重要なのは、ファッションらしく「楽しい」の要素を持ち込むこと。例えば「イザ ピンク クリスマス」の乳がんを考えるパートでは、当初医師との真面目なディスカッションなども計画したが、「楽しい」を追求した結果、乳がんサバイバーのファッションショーにたどり着いたという。ファッションショーは、参加者はもちろん、来場者の心にも響く。「楽しい」×「社会性」が人々の共感を誘うことを解説した。
3限目
企業の中の人のSNS投稿は、「ブランドの毀損」にならない?
3時間目は、情報過多な時代におけるインスタグラム用のコンテンツ作りを考えた。
最初に登壇したのは、「WWDJAPAN」の浅野ひかるソーシャルデスク。フォロワー数が40万を超えたインスタグラムの運用責任者は、「ユーザーはさまざまなチャネル、SNSを使い分けているので、“全部盛り“をやめた」という話からスタート。消費者は、「知る・興味を持つ→詳しく調べる→購入を検討する→購入する」というカスタマージャーニーを辿ることを踏まえ、企業のSNSも「購入動線も大事だが、SNSの外にばかり気を取られると運用やコンテンツがブレ、結果望む効果が得られない」として、「KPIとその理由を明確にする」「何を伝えたいのか?整理する」「コンテンツの目的を明確にする」の3つが必要と訴えた。
後半は、資生堂グループのデジタルマーケティング業務などを手掛ける資生堂インタラクティブビューティーの河原由香理グループマネージャーと、河原さんがまとめる40人ほどのパーソナルビューティーパートナー(PBP)の1人、エリーさんが登場。ブランド公式とは異なるPBPによるSNSの役割を解説した。河原マネージャーは、ブランドや商品の紹介が中心のブランドアカウント、店舗が主語になる店舗アカウントに対して、PBPのアカウントは、「新製品を個人がどう思っているのか?など、人というフィルターを通して情報を発信している。ブランドアカウントは価格や発売日などを伝えるが、PBPアカウントは、『私にも合うのか?どう使えば似合うのか?』を発信する」と解説。発信を個人に委ねるとき頭によぎる「ブランド毀損はないのか?」という不安については、「PBPは、ブランドを理解している、ブランド最大のファン。だから心配ない。ブランド毀損になっていないと信じている」と背中を押した。
4限目
エントリーアイテムのプロモーションはどうする? 「WWDJAPAN」がフィードバック
講座の最後は、グループに分かれたワークショップ。
今多くのファッションブランドが取り組む、若い世代に向けたエントリーアイテムのプロモーションを考えた。「WWDJAPAN」が制作した課題は、「セリーヌ(CELINE)」初のリップスティックのプロモーションプランやコミュニケーション。受講者からは、「パリジェンヌが赤いリップを塗るよう、日本人の女性は婚礼の際に紅を引く。唇を紅に染めるという、共通の価値観を発信したら?」などの斬新なアイデアが飛び出し、「WWDJAPAN」編集長の村上要や浅野ソーシャルデスクがフィードバックした。
視聴期限:2025年9月9日(火)23:59まで
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