ファッション

梶原加奈子が「日本の産地を考える」有志の研究会をスタート

テキスタイルデザイナーでテキスタイルデザインスタジオKDSの梶原加奈子・代表は7月14日、浅野撚糸の運営する「スーパーゼロスタジオ」(東京・青山)でイベント「ファクトリーの未来づくり」を実施した。前半に岐阜の染色・加工企業の木曽川染絨をゲストに迎えたシンポジウム、後半にワークショップを組み合わせたイベントで、研究者や編集者、学生など約20人が集まった。梶原デザイナーは「日本の繊維のものづくりの危機感から衝動的に思い立って始めたイベントで、ストリーズで告知しただけだが定員がすぐに埋まってしまった。今後も2カ月に1回のペースで実施していく」という。

前半のシンポジウムでは、日本の繊維産地分布やアパレル製品の国産比率が1.5%(流通量比)であること、後継者難、人手不足などの日本の繊維産業を取り巻く環境に触れた上で、木曽川染絨がファクトリーブランド「kiso」に取り組むことになった背景を紹介した。同社は、日本の毛織物産地として知られる尾州(愛知県一宮市と岐阜県羽島市の一部)に位置しており、ウールや合繊などの複合素材の染色・加工に強みがある。受注加工が大半を占めるが、ファクトリーブランド「kiso」の展開と並行して、オープンファクトリーにも積極的に行っており、クラフトツーリズム/産業ツーリズムにも取り組んでいる。シンポジウムのパネラーの一人として参加した今尾学・工場長からは「生き残るために必要なのは、まずは会社を知ってもらうこと」と話した。

後半のワークショップでは、参加者が自己紹介とともに植物染色や今後の日本の繊維企業の生き残り策などについて話した。

同イベントは今後も2カ月に1回のペースで実施予定で、今後の予定は梶原代表のインスタグラム(@kanakokajihara)などで公開する。梶原代表は「今回は初回のキックオフイベント。今後も問題意識を持った濃いグループとして定期的にワークショップを行っていく」という。

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