台湾のスターデザイナー候補　独自の感性で自国文化を継承

台湾の文化部と経済部主催の「台北ファッションウィーク（Taipei Fashion Week）」2024-25年秋冬シーズンが台北で4月25〜29日に開催された。ファッション・ウイークとしては遅い実施ではあるものの、バイヤーやメディアも積極的に招待し、公式会場は地元客で溢れた。韓国発ファッションが注目を集める中、台湾はダークホースになりえるのか。国の施策とマーケットの状況、デザイナーの3つの視点で探る。（この記事は「WWDJAPAN」2024年5月27日号からの抜粋です）

独自の感性で自国文化の継承
育ちつつあるスター候補

「台北ファッションウィーク」には不参加ながら、国際舞台で活躍する台湾人ファッションデザイナーが徐々に登場している。彼らに共通しているのは、台湾を一度離れて、日本やアメリカなど、他国の文化の影響を受けていることだ。台湾の若手デザイナーやファッション学校に話を聞く中で共通して挙がったのが「美学の教育が必要」という課題だった。実際にアートの教育が始まったものの、世界で通用する人材を輩出するのはまだまだこれから。しかし、自国の伝統技術や文化を継承しようとする思いは強く、自らのクリエイションにうまく取り入れる若手デザイナーも複数いた。欧米のコピーでは世界の強豪とは戦えないため、ローカルの独自性や強みをクリエイションにどう生かすかが、日本も含めたアジア人デザイナーには大切だろう。