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「マルジェラ」や「ジル サンダー」の親会社、23年は7%増収 IPOは24~25年を目指す

ディーゼル(DIESEL)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「マルニ(MARNI)」「ジル サンダー(JIL SANDER)」「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR&ROLF)」などを擁するOTBの2023年12月期決算は、売上高が前期比7.2%増の19億ユーロ(約3059億円)、営業利益は同4.5%増の1億4000万ユーロ(約225億円)だった。

「メゾン マルジェラ」「マルニ」「ジル サンダー」が属するラグジュアリーブランド部門の売上高は、同17.6%増だった。ブランド別では、「メゾン マルジェラ」が同23.0%増、「マルニ」は同8.6%増、「ジル サンダー」は同17.3%増だった。ウバルド・ミネッリ(Ubaldo Minelli)OTB最高経営責任者(CEO)によれば、この中でグループ全体の売り上げに最も貢献したのは「メゾン マルジェラ」だったという。なお、同ブランドは23年7月にガエタノ・シウト(Gaetano Sciuto)新CEOを迎え、会長にはレンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)OTB会長の息子であるステファノ・ロッソ(Stefano Rosso)が就任している。

ほかの主力ブランドでは「ディーゼル」が同13.1%増で、グループ全体に占める売り上げの割合は40%弱だった。

地域別の売上高では、日本を除くアジア太平洋地域が現地通貨ベース(以下同)で同74.0%増と非常に好調だった。中国で30店オープンしたことや、韓国市場の成長が寄与した。売り上げ全体の23%を占める日本も好調で、同19.4%だった。南北アメリカも同11.4%増と2ケタ成長だったが、卸の比率が比較的高い欧州は同2.3%と微増にとどまった。

同社は数年前から小売を強化しており、23年には新たに76店をオープン。直営店は610店、フランチャイズはおよそ300店となったこと、また既存店の売り上げが増加したことなどが奏功し、小売全体の売上高は同33.8%増だった。

ミネッリCEOによれば、OTBは今後の目標として売り上げ30億ユーロ(約4830億円)を掲げており、これをできる限り早く達成するため買収も視野に入れているという。しかし、兼ねてより憶測が広まっている「ミッソーニ(MISSONI)」の買収については言及しなかった。なお、同様にうわさとなっていたイタリアのラグジュアリーシューズブランド「ジャンヴィト ロッシ(GIANVITO ROSSI)」は、23年7月にコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)が過半数株式を取得している。

OTBはまた、以前から新規上場(IPO)に関心を示しており、21年11月の段階で「24年に行いたい」としていた。ミネッリCEOは本件について、「引き続きIPOの準備を進めており、24年第4四半期もしくは25年第1四半期に実施したいと考えているが、急いではいない」とコメントした。

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