ビューティ

プーチが独スキンケア「ドクター バーバラ シュトルム」の過半数株式を取得

スペイン発のラグジュアリーファッション・ビューティ企業のプーチ(PUIG)はこのほど、独ドクターズスキンケアブランド「ドクター バーバラ シュトルム(DR. BARBARA STURM)」の過半数株式を取得したと発表した。金額など取引の詳細は明らかにされていない。創業者のバーバラ・シュトルム博士は少数株主として株式を保有し、最高製品開発責任者兼ブランドアンバサダーとして引き続き製品開発を主導する。

「ドクター バーバラ シュトルム」は、世界的に著名な医師であり抗炎症治療分野のパイオニアであるシュトルム博士が2014年に設立。発祥の地である独デュッセルドルフのほか、英ロンドン、米ニューヨーク、マイアミ、ロサンゼルス、ダラス、インドネシアのジャカルタ、シンガポールにスパとブティックの販売網を持つ。最近では、ニューヨークのマディソン・アベニューとソーホーにスパをオープンした。スパではエイジングケア・フェイシャルトリートメントなどのメニューを提供する。

同ブランドの商品は、セフォラ(SEPHORA)やノードストローム(NORDSTROM)、アマゾン(AMAZON)でも取り扱う。ベストセラーは、“エンザイム・クレンザー”(75ドル=約1万円)、“ヒアルロニック・セラム”(110ドル=約1万5000円〜)、“フェイスクリーム”(75ドル=約1万円〜)など。米「WWD」は昨年9月、「ドクター バーバラ シュトルム」が売却を検討していると報じた。同社の年間売上高は約7000万ユーロ(約109億円)と推定されている。

マーク・プーチ(Marc Puig)会長兼最高責任者(CEO)は声明の中で、「科学に裏打ちされたスキンケア製品と高品質なトリートメントを提供する『ドクター バーバラ シュトルム』を迎えることをうれしく思う。この新たなパートナーシップはプレミアムスキンケア分野と米国における当社の存在感を高めるものだ」と述べている。プーチは「ドクター バーバラ シュトルム」のグローバルな拡大と発展のために舵を取ると強調した。

シュトルム博士はプーチとのパートナーシップについて、「好奇心と起業家精神、そして革新、製品、卓越性への強いコミットメントという価値観を共有している。ビューティブランドを世界的成功へ導いてきたプーチの経験を活用することで、われわれのスキンケア製品をより多くの人々に届けることができる。このコラボレーションは、われわれが常に限界を超え、スキンケア体験を向上させるための原動力となるだろう」と語った。

プーチは、メイクアップとスキンケア分野において存在感が薄かったが20年に事業構造の改革を発表。英国発のメイクアップブランド「シャーロットティルブリー(CHARLOTTE TILBURY)」やスイスのフレグランス・ビューティブランド「バイレード(BYREDO)」、インド発のビューティ・ウエルネスブランド「カーマ アーユルヴェーダ(KAMA AYURVEDA)」、南米コロンビアのナチュラルコスメトップブランド「ロト デル シュール(LOTO DEL SUR)」を買収するなど、フレグランス以外の分野でも強力なプレーヤーとなった。

同社の22年12月期の売上高は36億2000万ユーロ(約5683億4000万円)を記録。地域別では北中南米の成長率が最も高く、売上高は前年同期比56.3%増の13億1200万ユーロ(約2059億8400万円)だった。事業が急拡大する中、同グループは現在IPO(新規上場)を含めてあらゆる戦略的選択肢を検討している。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

韓国ブランドの強さに迫る 空間と体験、行き渡る美意識

日本の若者の間で韓国ブランドの存在感が増しています。K- POP ブームが追い風ですが、それだけでは説明できない勢い。本特集では、アジアや世界で存在感を示すKブランドや現地の人気ショップの取材から、近年の韓国ブランドの強さの理由に迫ります。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。