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連載 ファッション業界人も知るべき今週のビューティ展望 第126回

韓国の新興ビューティ企業が力をつけるエコシステム

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【連載】ファッション業界人も知るべき今週のビューティ展望

ビューティ賢者が
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ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN.com」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、今後注目すべき韓国ビューティのスタートアップ企業の話。

矢野貴久子/「BeautyTech.jp」編集長  プロフィール

雑誌編集者を経て1999年からデジタルメディアに関わり2017年、アイスタイルで媒体開発に着手。18年2月に美容業界のイノベーションを扱うメディア「BeautyTech.jp」の編集長に就任

【賢者が選んだ注目ニュース】

2023年は、スタートアップ含む韓国の美容企業の上場が続いている。今年6月にコスダックに上場を果たしたのは魔女工場で、初値は公募価格を大きく上回った。後に続く美容企業にも期待がかかった。魔女工場は12年の設立以降、主力の「魔女工場」をはじめ、ビーガンスキンケアやフレグランスを手掛けるクリーンビューティ企業。22年現在65カ国で展開しており、同年の売上高は約112億円、営業利益は約27億円だ。ちなみに海外売り上げのうち75.8%を占めるのが日本。日本では、イメージキャラクターとして日韓で人気の坂口健太郎を起用した。

美容ブランドとしてさらなる大型上場と目されるのが、「エイプリルスキン(APRIL SKIN)」などのブランドで知られるAPRだ。化粧品以外にも美顔器や健康食品、アパレル、インスタントフォトブースなど6つの事業を手掛けており、22年の売上高は約437億円、利益は約43億円で、プレIPOラウンド(上場直前の資金調達)の時価総額は770億円と、ユニコーン級の上場になるのではと注目を集めている。早ければ23年10月にも韓国証券取引所に予備審査を請求するとみられている。

このほかにも、韓国で数々の新興ブランドを世に送り出し、パンデミックを経ても国内の小売りとしては独走状態のオリーブヤング(OLIVE YOUNG)も上場がうわさされるなど、総じてオン・オフラインのシームレスな体験、グローバル開拓をこつこつと続けてきたブランドやイノベーティブな顧客体験を提供してきた企業の強さが光る。

Kビューティは有名なのに、
TOP100ランキングにはわずか2社

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