ファッション

2023年の表参道を大胆予想 「ティファニー」の進出は確実か、「フェンディ」の移転オープンに続くのは?

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 コロナ禍にもかかわらず好調なラグジュアリー業界では、原宿の交差点から表参道の交差点にかけての出店ラッシュが続いている。今わずかに残っているように見える空き物件にも、すでにコングロマリット傘下にあるビッグブランドの出店が決まっているようだ。ラグジュアリーブランドによる表参道への進出を予測する(この記事は、「WWDJAPAN」2022年12月5日号の記事の抜粋です)。

 「エルメス(HERMES)」(2021年2月オープン)や「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」(22年4月)、そして「マックスマーラ(MAX MARA)」(22年11月)などのラグジュアリーやデザイナーズブランドは、コロナ禍においても右肩上がりのビジネスを背景に出店を続けている。このうち「マックスマーラ」は、至近にある青山店を残し、青山2店舗体制を構築。渋谷のミヤシタパークやスクランブル、パルコなどに入店する店舗を含めると、表参道から原宿、渋谷エリアで複数店舗体制を築いているブランドも数多い。

 来年以降は、このエリアに旗艦店や路面店を持たないブランドの出店が本格化する。まず「ティファニー(TIFFANY)」はキャットストリートにオープンしていたポップアップを終了。表参道沿いへの出店が確実視されている。LVMH入りした同ブランドにとって有力なのは、表参道ヒルズに移転したグループブランド「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」の跡地か?宝飾と時計は商材として似たような性格を有し、「タグ・ホイヤー」の店舗内にあるであろう防犯体制も活用できる可能性が高い。「タグ・ホイヤー」はクローズした店舗にも広告ビジュアルを掲出し続け、つまり賃料を払い続けている。また、ONE表参道ビルでは「ジバンシィ(GIVENCHY)」が11月末で閉店。既に隣接する「ロエベ(LOEWE)」の拡張工事が始まっている。

 注目は、「ディオール(DIOR)」の隣にあったオリエンタルバザーだ。同店は現在改修休業中だが、その店舗面積は縮小することが決まっている。空いたスペースには、「フェンディ(FENDI)」が出店。同ブランドはONE表参道ビルに店舗を構えているが、オープン当初は一時的なテンポラリーストアとしていた。加えて隣接する「セリーヌ(CELINE)」や「ロエベ」に比べると店舗の形は少しいびつで、手狭な感も否めない。キム・ジョーンズ(Kim Jones)の参画以降は売り上げも順調で、ジュエリーやカトラリーなどカテゴリー拡大が続く「フェンディ」にとって、今より大きなスペースは手にしたいものに違いない。

 また、表参道ヒルズに新店舗を構えた「デルヴォー(DELVAUX)」は、ジャイルの既存店を来年2月中ごろにクローズ。すでに後継ショップは決まっているようだ。

 さらには界隈のメガブランドも移転するというウワサもある。気になるのは、表参道を根津美術館に向かって進むと右側に現れる、「プラダ(PRADA)」の隣の空き物件だ。かつては「ラペルラ(LA PERLA)」などが店舗を構えていたが、いずれも短いスパンで退店し現在に至っている。また、反対側の原宿駅に近い場所にも数軒の空き物件があるが、こちらは建物自体が小さい上に古く、後継テナントが決まるのは先の話になりそうだ。


 街に賑わいが戻ってきた。日本への渡航がかなり容易になり、円安も手伝い外国人観光客も増えている。しかし人々が戻ってきた原宿や表参道の街は、3年前と姿を大きく変えた。端的に言えばラグジュアリーやプレステージブランドの存在感が増し、カジュアルブランドは苦戦が続く。表参道は活気づき、原宿は回復基調に戻っていない。そこで「WWDJAPAN」編集部は総力を上げて界隈の目抜き通り、竹下通りと表参道、明治通り、キャットストリート、そして国道246号を大調査した。


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